ソフト女子五輪代表選出の上野由岐子「何のために福島で五輪か。勝敗だけでなく大事な使命を受けている」

西日本スポーツ 末継 智章

 日本ソフトボール協会は23日、オンライン会見で東京五輪女子日本代表の15選手を発表し、2008年北京五輪で優勝投手となった上野由岐子(ビックカメラ高崎)=福岡市出身=と投打二刀流の藤田倭(同)=長崎県佐世保市出身=らが選ばれた。投手は20歳左腕の後藤希友(トヨタ自動車)を含む3人だけで、宇津木麗華監督は上野と藤田の先発起用を明言。九州育ちの二枚看板に五輪“連覇”への期待が託された。

 競技は五輪開幕2日前の7月21日に全競技を通じて最初に福島県営あづま球場で始まり、日本はオーストラリアと開幕戦を戦う。両国と米国、カナダ、イタリア、メキシコの6カ国で総当たりの1次リーグを実施し、1、2位が27日の横浜スタジアムでの決勝に進む。24年パリ五輪では再び実施競技から除外される。

■上野 福島での試合「大事な使命」

 13年前とは違う選手構成が両右腕にかかる期待の大きさを際立たせた。北京五輪では4人だった投手陣が、7日間で最大6試合の今回は3人。会見で宇津木監督は「左の後藤をワンポイントで使うことで(右の)上野と藤田がより生きる。いろんな投手を使うより、1試合を投げきれる投手が(監督の)戦略に応えてほしい」と二枚看板への信頼を強調した。

 上野も「今までやってきたことを出すだけだと腹をくくって準備する」と重く受け止める。2008年北京五輪で2日間計413球を投げ抜き、昨年も日本リーグの決勝トーナメントで2連投して2連覇に貢献。38歳の今も体力は健在だ。

 今年から藤田がビックカメラ高崎に加わり、4月3日開幕の日本リーグでも二枚看板として一緒に戦える。上野は「先発したりリリーフしたり、2人で1試合投げたりといろいろ試せる」と五輪を想定して調整する考えを明かした。

 復興五輪とうたわれる東京五輪で、東日本大震災から10年の節目に被災地でもある福島で全競技のスタートを切る。「何のために福島で五輪が行われるのか。白黒(勝敗)だけではなくいろんなものを伝えられるかという、大事な使命を受けている」と上野は特別な思いを口にした。

 初戦で戦うオーストラリアとの相性が良く、宇津木監督が会見で開幕戦での先発起用を示唆した藤田も「何戦目というより、一戦も落とせない」と開幕戦へのこだわりは否定しながら、福島での開催に「スポーツが与える力は大きい。いいスタートを切れるように調子を整える」と「7・21」を見据えた。

 コロナ禍で五輪開催への不安が根強く残る中での自国開催。さらに3大会ぶりに実施競技に復帰しながら、2024年のパリ五輪では再び除外される。あらゆる意味で注目が集まる今大会。「正直、もう一度五輪の舞台に立つとは思っていなかった」とかみしめたチーム最年長の上野は「五輪をやって良かったなと全国民に思ってもらえるような試合にしたい」と決意をこめた。 (末継智章)

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