「今大会ナンバーワン」はあの右腕 ソフトバンク・スカウト部部長が見たセンバツの好素材

西日本スポーツ 喜瀬 雅則

 第93回選抜高校野球大会は25日、1回戦が終了し、出場32校が全て登場した。そこで福岡ソフトバンクの永井智浩編成育成本部本部長兼スカウト部部長(45)に、今大会で光った投打の逸材を挙げてもらった。

「投高打低」の傾向

 永井部長が「今大会ナンバーワン」と表現したのは市和歌山の小園健太(3年)。県岐阜商を4安打完封した右腕と「力の出し方が同じタイプ」としてオリックス山本由伸を挙げた上で「指先の感覚が良くて、変化球の制球もいい。このままレベルアップすれば、プロでも結構早めに戦力になりそう」と高評価した。

 身長193センチの天理(奈良)の達孝太(同)には「あの体格だと不器用な選手が多い中、大きさを感じさせない。バランス良く体を使える」。同じ右腕で、ダイエー、ソフトバンクのエースとして活躍した斉藤和巳氏(西日本スポーツ評論家)が192センチの長身だったことを引き合いに出し「和巳も非常にバランスが良かった。伸びしろが楽しみ」とした。

 中京大中京(愛知)の右腕、畔柳亨丞(同)も「(中日ドラフト1位の)去年の高橋(宏斗)君とタイプは違うけど、非常にいい素材」。また「左投手が目立った」と分析し、明徳義塾(高知)の代木大和(同)は「動きが柔らかいのがいい」。大阪桐蔭の松浦慶斗(同)は「潜在能力は十分ある」。福岡大大濠の毛利海大(同)も「球速以上にベース付近で球が切れている」。県岐阜商の野崎慎裕(同)と智弁学園(奈良)の西村王雅(同)は「投球術があって面白い存在」と評した。

 今大会の特徴を「いい捕手が多い」とし、次の3人の名前も挙げた。県岐阜商の高木翔斗(同)は身長186センチの大型捕手で、市和歌山の松川虎生(同)は小園を好リード。福岡大大濠の川上陸斗(同)は「スローイングもいいし、野球勘の良さを感じる」という。

 野手では智弁学園の前川右京(同)と山下陽輔(同)、大阪桐蔭の宮下隼輔(同)と池田陵真(同)を挙げ「4人ともスイングが力強い」。ただ今大会は本塁打が第5日まで出ないなど「投高打低」の傾向が強く、「コロナ禍の影響があるのでは」と語った。

今後の成長に期待

 昨年は春夏ともに甲子園大会が中止。対外試合も制限され、今大会出場の選手は「実戦経験が圧倒的に少ない」と言う。さらに「例えば、プロに行くような選手は高校通算本塁打が50本、60本という数字が出てくるけど、そういうのがない。それは能力が低いのではなく、単純に打つ機会がなかったから」。だからこそ、今夏にかけ「大きく成長する選手がいるでしょうね」とみている。

 また永井部長の長男・大斗(同)が、福岡大大濠の「6番右翼」でフル出場して9回の第4打席で初安打。「技術的な部分は置いといて、甲子園でヒットを打てて、本人の努力も報われたんじゃないかな。父親としても単純にうれしかった」とこのときばかりは“親の表情”だった。 (喜瀬雅則)

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