かつて「世界最高」福岡国際マラソン終了の背景 開催時期の難、あらがえない時代の流れ

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

【記者の目】

 日本陸上競技連盟は26日、福岡市の平和台陸上競技場を発着点に同市の市街地を走る福岡国際マラソンを12月5日の第75回大会を最後に終了すると発表した。

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 「世界最高のレース」と称された福岡国際は現在、かつてほどの注目はなかった。12月の第1日曜日の開催。実業団ランナーからすれば1カ月もたたないうちに全日本実業団対抗駅伝を走らなければならない。元日に長時間にわたってテレビ中継される同駅伝は企業にとって“広告効果”は大きい。調整の難しさから「福岡には出せない」という実業団もあり、国内の有力選手の参加が難しくなってきていた。

 東京のような市民参加型のマラソンが主流になった世界的な流れにもあらがえなかった。福岡国際は参加資格記録が例年、2時間30分前後に設定されている。厳しい制限が設けられる伝統的な「エリートレース」は近年、消滅、もしくは市民参加型への移行が主流となっている。多額の参加料収入が見込めるとともに、広告効果の高さからスポンサーも集まる。高額の賞金も用意される市民参加型にトップ選手が集中するのは自然な流れといえる。

 26日に主催者が開いた会見では11月の福岡マラソンとの統合案も検討したことが明かされたが、アップダウンの多い同マラソンのコースはトップ選手が記録を狙うには不向き。逆に福岡市中心部を走る福岡国際のコースを1万人を超えるランナーが走ることも厳しい。

 五輪や世界選手権への選考レースが一つ減ることになり、強化の面では大きな痛手となる。市民参加型とエリートレースがいかに「共存」するか。日本のマラソン界は大きな岐路を迎えている。 (伊藤瀬里加)

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