明豊「エースを引きずり出す」実現して初の甲子園決勝へ

西日本スポーツ 前田 泰子

 ◆選抜高校野球大会準決勝 明豊(大分)5-4中京大中京(愛知)(31日、甲子園)

 明豊が春夏通じて初めて甲子園の決勝に進出した。選抜大会の大分県勢の決勝進出は1967年の津久見以来54年ぶり。4月1日の決勝で東海大相模(神奈川)と対戦する。

 チームの歴史を塗り替えた明豊ナインは、弾むように応援団が待つアルプススタンドへ駆けていった。2年前のベスト4を超えて初の決勝進出。「生徒がよく成長した。感心して見ていました」。1点差で勝ちきった選手を川崎絢平監督も驚きの目で見つめていた。

 最速151キロの相手エース畔柳(くろやなぎ)亨丞(3年)は先発を回避。「エースを引きずり出す」と4回に下位打線から集中打が出た。7番塘原俊平(同)の犠飛で先制すると、なお2死一、二塁から太田虎次朗(同)、簑原英明(同)、阿南心雄(同)の3連打で、この回計5得点。そこで畔柳が登板したが、明豊は既に大きなリードを得ていた。

 投げては太田と京本真(同)のリレーで相手の反撃をしのいだ。守っては1回2死二、三塁のピンチで左翼の阿南が大飛球を好捕。智弁学園(奈良)との準々決勝に続くスーパーキャッチを見せるなど、今大会4試合連続無失策の堅守で投手をもり立てた。まさに全員がヒーロー。「技術ではなく全員の気持ちが勝ちにつながった」と幸修也主将(3年)は胸を張った。

 昨秋、川崎監督に「史上最弱」と言われた言葉が今につながっている。「なにくそと思った。あれがなかったら今はなかった」と幸主将は振り返る。強打の居谷匠真(福岡ソフトバンク)、左腕の若杉晟汰(JX-ENEOS)らタレントぞろいだった2020年度の3年生と比べられ「打てない」と言われてきた。冬には休まずやり切る「500本ティー」を毎日2回こなすなど、苦しい練習が決勝の扉を開く力になった。

 決勝は春夏計4度の甲子園優勝を誇る東海大相模が相手だ。コロナ禍で昨春の大会が中止となって出場できなかった先輩の思いも背負っている。「目標は日本一になること」。幸主将の言葉は「最弱」と言われた時からぶれない。「ワンチーム」となって頂点をつかむ。 (前田泰子)

PR

高校野球 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング