エプロンがユニホーム、移動販売車で動き出した元J1福岡・中村北斗さんの第二の人生

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 J1アビスパ福岡などで活躍し、2019年限りで現役を引退した中村北斗さん(35)が大豆を使った食品の移動販売「GOCHISOY(ゴチソイ)福岡」を始めた。乳製品や卵のアレルギーがある次男の食生活に悩む中で製品の魅力を知り、自ら販売に乗り出した。引退後のセカンドキャリアへの思いとともに、アンバサダーを務める福岡のJ1での戦いぶりも語った。

■販売場所はSNSで

 キックオフを待つベスト電器スタジアムの近くに人だかりがあった。YBCルヴァン・カップの福岡-札幌戦が行われた3月3日。移動販売車の隣には、エプロンをまとう中村さんの姿があった。「豆腐、ありますよ」。丁寧な接客は、現役時代の力強さとは異なる柔らかさがあった。

 中村さんは長崎・国見高で高校選手権優勝を経験。福岡やFC東京で活躍し、年代別の日本代表にも選ばれた。2018年から故郷のクラブである長崎に移籍し、島原食品(長崎県島原市)の「ゴチソイ」と出合った。

 4人の子どもを育てる中村さん。次男が乳製品や卵のアレルギーがあり、乳児期に母乳を飲むこともままならなかった。給食を食べられず、弁当を持参しなければならない生活が続く中で「ゴチソイ」が笑顔を取り戻すきっかけになった。

 昨年は福岡U-18(18歳以下)のコーチを務めたが「サッカーではないビジネスもやってみたい」と一念発起。ゴールキーパーとして福岡で活躍した神山竜一さんの手を借り、長崎から商品を受注する新事業に頭を巡らせる日々だ。

 現在は福岡市近郊を中心に、週に3日ほど営業。インスタグラム(@gochisoy_fukuoka)、自身のツイッター(@hokuto1422)で販売場所を告知している。豆乳プリン(税込み350円)、リッチなおとうふ(同300円)など大豆に特化した商品を販売する。

 将来的には、教育機関を巻き込んだ「食育」に携わる青写真も描く。「食とサッカーで、豊かな生活の手助けをしたい」。新たな人生で、エプロンがユニホームになった中村さんは、愛車に乗って新境地を開拓している。 (鎌田真一郎)

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■中村さん「大事なのは慣れ」神山さん「チームで守りを」 J1での戦い

 2006、16年に福岡でともにJ1を戦った中村さんと神山さんが古巣にエールを送った。中村さんは「大事なのは慣れ。勝たないと余計にプレッシャーがかかって、勝ち点を取らないといけないという焦りが出る。その意味で、アウェーの清水戦で勝ち点が取れたのは大きかった」と強調した。神山さんも「J1は個の能力が高い。守備も個で守れる部分が少なくなる。ペナルティーエリアの中で簡単に飛び込まないとか、一人が行ったら次でカバーするとか、チームとしての守りが大事になる」と全員で戦い抜く必要性を指摘した。

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