パリ五輪の男子マラソン日本代表目指す新星 細谷恭平は「中本健太郎2世」

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 高速化が進む日本男子マラソン界で九州から楽しみな新星が誕生した。25歳の細谷恭平(黒崎播磨)だ。2度目のフルマラソンだった2月のびわ湖毎日で日本歴代6位の2時間6分35秒で3位。大学時代は故障に泣かされたが、社会人で素質が大きく開花した。2024年パリ五輪に向けて、さらなる飛躍を目指す。

 2月のびわ湖で全国無名の25歳がパリ五輪の候補に名乗り出た。2度目のフルマラソンで日本歴代6位の好記録をマークした細谷。「日本代表になりたいという意識はうすうすはあったけど、それがより濃くなった」。憧れだった日の丸が現実的な目標に近づいた。

 きっちりと1キロ3分ペースを刻み続け、2時間6分35秒。初マラソンのタイム2時間28分47秒を22分以上更新した。細谷の競技人生に関わってきた関係者からよく言われたのが、「スタートラインに立たせることが大変だけど、立てば結果を出してくれる」だ。

 中央学院大時代は「4年間の半分以上、けがをしていた」と振り返る。入学前に右膝を痛めて1年以上走ることができず、その後も肉離れや疲労骨折など故障が相次いだ。それでも走れば存在感を示す。箱根駅伝では2年時に8区、3、4年時は山上りの5区で全て区間3位。自らの武器を「安定感」と言い切る。

 黒崎播磨入社後は故障が激減。ケアやトレーニングに加え、渋谷明憲監督からの「ジョギングに緩急をつけろ」との助言も効いた。以前はペースを意識しすぎていたが、体調やメイン練習の強度次第でスピードを調整することが功を奏した。

 その実力は早くからプロランナーの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)も注目していた。2年前、川内が北海道のハーフマラソンに出場した際、細谷が10キロの部に出場。「アップダウンが激しいコースで、とんでもないタイムで走っていた」と印象を口にする。

 世界の舞台も視野に入ってきた遅咲きの大器。渋谷監督は2012年ロンドン五輪男子マラソン6位入賞の中本健太郎氏と重ね、「世界大会の代表になれば、結果を残す力はある。中本にさらにスピードをつけたタイプ」と期待する。出場すれば結果を残す勝負強い男は「マラソンで代表を狙うなら、もう一度7分台できっちり走りたい」と一歩ずつ着実に前に進んでいく。 (伊藤瀬里加)

 ◆細谷恭平(ほそや・きょうへい)1995年8月31日生まれ。茨城県桜川市出身。小学2年生から中学校卒業まではサッカーに励み、冬場は地域の駅伝大会に出場していた。茨城・水城高で本格的に陸上を始める。全国高校駅伝にも出場した。中央学院大を経て、2018年黒崎播磨入社。今年元日の全日本実業団対抗駅伝は、エース区間の4区で区間4位。171センチ、52キロ。

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