ソフトバンク杉山は故障離脱の千賀もうらやむ才能の持ち主

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆日本ハム2-6ソフトバンク(7日、札幌ドーム)

 3年目の杉山一樹投手(23)がうれしいプロ初勝利を手にした。1点を追う6回に3番手で登板。2四球を与えたが、150キロ台の力強い速球で得点を許さない。直後の味方の逆転劇で白星が転がり込んだ。この日、師弟関係にあるエース千賀が出場選手登録を抹消された。師の無念も背負い、まな弟子が白星をささげる形ともなった。チームは「千賀ショック」を振り払い、連勝で貯金「1」とした。

1回を無失点

 「ど真ん中に投げて球威で抑えていく」。杉山が首脳陣と話し合い、導いた答えを貫いた。1点を追う6回。無死一塁で大田をそのど真ん中153キロで一ゴロ併殺に仕留めた。2四球を与えても安打は許さない。チームが7回に勝ち越し、3年目のプロ初勝利は突然、舞い込んだ。

 6回の1イニングをゼロでしのぎ、開幕以来5試合連続無失点。プロの世界で「ど真ん中」を求められるほど、規格外のポテンシャルの持ち主だ。最速161キロを誇り昨季投手3冠に輝いた千賀に「超された」と言わしめる。昨年1月には自主トレをともにし、その後もカットボールの教えを請うなど師弟関係にある。

 6日、その千賀が今季初登板で思わぬアクシデントに見舞われて左足首を捻挫。7日に出場選手登録を抹消された。「やっと1軍でより深い話ができると思っていたんですけど…」。心待ちにしていた野球談議はお預け。師にささげる白星となった。

 足首の故障は杉山にとっても、苦い記憶として刻まれている。ドラフト2位で入団した1年目は春季キャンプでA組に抜てき。だが、ケース打撃中のバント処理で右足首をひねり車椅子に乗って病院に直行した。手が届きかけた開幕1軍は逃した。開幕戦では同期のドラフト1位甲斐野が勝利投手になった。その姿を寮のテレビで見ることしかできなかった。悔しさが成長を促した。

 3年目を前に「もう期待枠ではなく、信頼を勝ち取らないといけない」と決意した。今春は開幕ローテ争いにも参戦。モイネロの調整遅れなどチーム事情もあり再びリリーフに配置され、「勝ちパターン」の一角を担う。

 かつては「牛一頭」「世界遺産になりたい」、そして今年は「男は鶏胸肉」とグラブに刺しゅうを入れる一風変わったこだわりを持つ男。ウイニングボールは静岡の実家に送るという。千賀もうらやむポテンシャルの持ち主が、また一つ成長の証しを手に入れた。 (鎌田真一郎)

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