苦しんでいたソフトバンク中村晃の一打 布石は小久保ヘッドの「進言」

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆日本ハム2-4ソフトバンク(8日、札幌ドーム)

 「北海道産のハム」は鷹の大好物だ。8回、犠飛で同点にした後、中村晃外野手(31)の2点打で勝ち越して、連夜の逆転勝ち。5連敗で臨んだ日本ハム3連戦に3連勝で元気を取り戻し、今宮健太内野手(29)のパ・リーグ最多通算306犠打に花を添えた。これで日本ハム戦は昨年から11連勝。9日からは仙台に乗り込んで、首位楽天との3連戦に臨む。このまま一気に突っ走るぞー!

■小久保Hに応えた

 得点できそうでできない、もどかしい展開にけりをつけたのは、苦しんできた選手会長の巧みな一振りだった。1点を追う8回、デスパイネの犠飛で追いつき、なお1死二、三塁。中村晃が日本ハムのセットアッパー左腕宮西がフルカウントから投じた6球目、内角低めの真っすぐをさすがのバットコントロールでさばいた。打球は前進守備の相手二塁手の頭上を越えた。右前への2点V打。意外にも今季自身初の適時打だ。

 「何とかしたいという思い一つだけ」。一塁ベース上でうなずいた。試合前の打率は1割4分3厘。己に厳しい男は「ここ最近は打てていなかった」とはっきりと口にする。そんな甘えを一切許さないスタイルはチームの“レジェンド”から受け継がれたものだ。

 2月の宮崎春季キャンプ時に口にしていた。かつて自主トレで師事した小久保ヘッドコーチについて「妥協を許さない方。自分にすごく厳しい方で、見習って選手生活を送ってきた。成長した姿を見せたい」。8回の好機では無死一、二塁で栗原が追い込まれても、小久保ヘッドは送りバントを工藤監督に進言していた。結局栗原は四球だったが、後を打つ中村晃らへの期待の証しでもあった。加えてここまでフルイニングで送り出されるなど厚い信頼を寄せてくれる小久保ヘッドの目前で、言葉通りの姿を示して見せた。

■今季2度目マルチ

 4回にも左前打を放ち、2度目の複数安打で、チームを昨季から続く日本ハム戦の11連勝に導いた。「打線の雰囲気は最初に比べたらいいのかな。僕ももっと状態を上げられるように」。相手先発の河野は攻略し切れなかったが、終盤に打線がつながり2夜連続の逆転勝ち。7日にV打を放った松田も複数安打を記録するなど、これまで苦しんできた実力者がそろって上昇傾向だ。

 工藤監督も「打線につながりが出始めたね。いい粘りだった。相手の勝ちパターンの投手を攻略して、逆転できたこともよかった」と笑顔を見せた。冬に逆戻りしたかのように市街地でも降雪があった札幌で、熱い今季2度目の同一カード3連勝。9日からは敵地仙台で首位楽天との3連戦に臨む。悪夢の5連敗から一転。北の大地で「V字回復」した勢いをそのまま持ち込む。 (山田孝人)

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