来日初登板で大きく広がったソフトバンク・スチュワートの起用法 米メジャー1位指名右腕が1軍で無失点デビュー

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆西武1-7ソフトバンク(17日、メットライフドーム)

 米国でも最大級の評価を受けた右腕がついにベールを脱いだ。6点リードの9回。球場にスチュワートの名前がコールされると、敵地にもかかわらず大きな拍手が起きた。来日から3年目でようやくたどり着いた1軍マウンドだった。

 「最初はさすがに緊張したよ」。21歳の右腕は先頭愛斗にストレートの四球を与えたが、やはり並ではない。続く西川はこの日最速153キロを含む4球すべて真っすぐで空振り三振を奪うと、ブランドンは151キロ直球で力ない遊飛に仕留める。最後は鈴木に粘られながらも10球目のチェンジアップを内角低めに決め、見逃し三振でゲームセット。右手でつくった拳を何度も振り、柔らかな笑顔を見せた。

 「来日から長かったような短かったような。コーチやスタッフ、たくさんの人の支えで今があるんだ」

 2018年に米大リーグのブレーブスからドラフト1巡目指名を受けながらも入団せず、ホークス入りを決断。異例の経緯もあり大きな注目を浴びた。それでも素顔は19歳の少年だった。来日した19年は1人暮らしするマンションに家族が代わる代わる訪れてサポート。食事もハンバーガーやステーキなどしか喉を通らないこともあった。

 2年目シーズンが終わった20年11月、スチュワートはフェニックス・リーグに参加した。最終日、チームメートから「これでアメリカに帰れるぞ」と声をかけられると珍しく両手でガッツポーズをつくり、満面の笑みを浮かべた。コロナ禍で家族と会えず落ち込む日々もあったことを考えれば当然だった。

 異国の生活は孤独ばかりではなかった。文化になじもうと日本語アプリを愛用し、現在はチームメートと笑顔でやりとりする場面も増えた。当然、「本業」も励んだ。1、2年目は体づくりに注力し、3年目の今季は2軍で3試合に先発して2勝0敗、防御率1・29と結果を残してきた。

 工藤監督の評価も上々だった。「走者を出しても球速が落ちない。変化球もある程度イメージ通りに投げられていた。ナイスピッチング」。さらに「次回からはしっかり落ちついて投げてくれると思う。長い回も投げられる。そういう確認もできた」と多様な起用法に思いを巡らせた。たくましさを増した右腕の旅が今、スタートした。 (長浜幸治)

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