起死回生弾ソフトバンク中村晃、卵黄1個分の変革「モデル柳田さん、持ち主栗原」

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆ソフトバンク4-4西武(18日、メットライフドーム)

 首位からの転落、西武戦2カード連続負け越し…いろんな危機を選手会長が振り払ってくれた。2点を追う9回、中村晃外野手(31)の今季1号は同点2ラン。勝ちに等しい引き分けに持ち込んだ。楽天に並ばれたとはいえ、首位をキープ。20日からはその楽天との2連戦に臨む。不振に苦しんだ中村晃、柳田が結果を出し、一時離脱の守護神森も復帰登板。実り多いドローが、首位攻防に生きないはずはない!

不振脱出へ新相棒

 選手会長が一振りでチームを危機から救った。2点を追う9回先頭のデスパイネが歩いた後、中村晃は増田の初球、甘く入ったスライダーを逃さなかった。高々と上がった打球が右翼席ギリギリに飛び込む。今季1号は起死回生の同点2ランとなった。

 「なんとか追いつけるようにつないでいこうと。一、二塁間へ強い打球を打とうと思っていた」。それまで今季無失点と抜群の安定感を誇っていた相手守護神には、昨季まで通算26打数4安打と苦しめられた。さらに自身は開幕から不振。「諦めない気持ちだけは常に持ってやっている」と下を向かなかった男の意地が生んだ一発だった。

 劇的アーチはチームを救っただけではない。ダイヤモンドを一周後、ベンチ前で出迎えた津森の右肩をポンとたたいた。そのまま負けていたら、今季初失点を喫した2年目右腕にプロ初黒星が付いていた。まさに選手会長にふさわしい仕事だった。

 「全試合に出たい。もう一度、しっかり出られる準備をする」。4年ぶりの全試合出場を目標に迎えた今季、開幕3連戦で安打がなく、その後も長く打率1割台だった。現状打破へなりふり構わず、新たなバットを手にした。

 「モデルは柳田さんで、持ち主は栗原。少し軽いけど、今の自分にはそういうバットがいいのかなと」。6日からの札幌遠征で使い始めると、徐々に鋭い打球が増えてきた。以前のバットとの重量差はわずか20グラム。卵黄1個分だ。それでも繊細な感覚を持つヒットメーカーにとって大きな変化だった。

 負ければ4カードぶりで西武戦では2カード連続の負け越し、そして首位から転落だっただけに、工藤監督も安堵(あんど)の色を隠さなかった。「本当に津森君もチームも全部あの一発で救ってくれた。負けていたら、どよんとした感じで帰らなければいけなかった。勝ちに等しい引き分け」と中村晃に最敬礼した。

 まだ本調子には遠いものの、10打点は栗原、松田に次ぐチーム3番目。ここぞの場面での勝負強さは健在だ。打撃不振でも今季21試合全てでスタメンに名を連ねており、やはりチームにとって欠かすことのできない戦力。劇的な一発で上昇気配を漂わせた。 (長浜幸治)

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