故障を乗り越え大きく成長 最速143キロ左腕、憧れは菊池雄星/注目の高校球児

西日本スポーツ

 九州の高校球児情報に精通したアマ野球ウオッチャー「トマスさん」が、丹念な取材でリストアップした好選手を紹介する「特命リポート」-。今回は福岡・真颯館の松本翔(3年)をピックアップします。最速143キロを誇る本格派左腕で、昨秋の故障を乗り越えて大きく成長。24日に開幕する春季九州大会でも活躍が期待されます。

■投手・3年

 現チーム結成時の評価は、同じ左腕で今春の選抜大会8強に進んだ福岡大大濠の毛利海大(3年)と双璧。松本翔も活躍が期待されたが、昨秋の福岡大会は左肘周辺部の違和感で登板回避した折尾との初戦でチームが敗れ、明暗が分かれた。

 選抜大会への道は早々と断たれたが、すぐに前を向いた。「みんなに迷惑をかけた。落ち込んだが、すぐに切り替えて、自分がチームを引っ張ろうと思った」。まずは故障の原因を分析。独自の方法によるフォーム固めに取り組んだ。

 下半身をうまく使えないために体が開き、上半身頼みで投げていた欠点を修正。グラウンドの照明塔用電柱の支線を左手で持ち、右足をしっかり上げて静止状態をつくり、体が開かないように、体重を移動する反復練習を徹底して行った。

 この反復練習は一日に300回近く行うこともあった。さらにメディシンボールを2個持つなど、工夫を凝らしたスクワットで体幹や下半身を鍛えた。冬を越えた春先の紅白戦観戦時の印象は「腰回りや太ももがたくましくなった」だった。

 フォーム固めと肉体強化の成果もあり、制球力も向上。「以前は四球で崩れて、むきになって力が入っていた。今はリリースの前には力を抜き、リリース時に100の力で投げている」。一番難しいといわれるリリースの感覚もつかんだ。

 昨秋の福岡大会で登板できなかったことを、誰も責めることはなかった。そのことへの感謝の思いを春季福岡大会に込めた。7-0で7回コールド勝ちした東福岡との準決勝は2安打無失点の快投を見せ、最速143キロをマーク。準優勝で春季九州大会に進んだ。

 「(春季福岡大会は)味方のエラーに対して(感情を)顔に出さず、むしろカバーすることを考えた」。精神面でも成長した左腕の口癖は「目の前の相手に一つずつ勝つだけ」。常に積み重ねの重要さを口にする。

 球の切れが良く、直球と変化球の腕の振りが変わらない菊池雄星(マリナーズ)が好きな選手で、自身も「プロ野球を目指している」と話す。切れ長の目に浮かんだ照れ笑いに、素直で真面目な性格を垣間見た。

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 ◆トマスさん 趣味のアマ野球観戦は通常の年は年間約200試合に上り、高校野球が8割を占める。取材範囲は福岡を中心に九州一円に及び、豊富な情報量にはプロのスカウトや新聞記者も一目置く。1992年夏の西日本短大付が最後となっている福岡勢の甲子園制覇を願ってやまない。ペンネームの「トマス」はスパニッシュネームだとか。

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