ラグビー界に衝撃…コカ・コーラ 新リーグ参入目前、突然の廃部の背景

西日本スポーツ 末継 智章

 コカ・コーラボトラーズジャパン(東京)は30日、ラグビーのトップチャレンジリーグ(TCL)に所属する同社ラグビー部の活動を年内で終了すると発表した。来年1月に発足する新リーグへの参入申請は取り下げた。本業の飲料ビジネスに特化することによる改革の一環として、チーム活動を見直したなどと説明している。廃部となり、プロ契約選手16人を含む選手やスタッフの去就は未定。

 ラグビー部は1966年に創部し、2006~07年シーズンにトップリーグ(TL)に初昇格。ラグビーが盛んな福岡市を拠点にしている地の利もあり、07年ワールドカップ(W杯)フランス大会に出場した西浦達吉氏(福岡大出身)や16年リオデジャネイロ五輪7人制男子日本代表主将の桑水流裕策(同)ら地元出身の選手が世界でも活躍した。

 現在も桑水流のほか、東京五輪7人制男子日本代表候補の副島亀里ララボウラティアナラや津岡翔太郎が在籍。今季TCLでは3位だった。日本ラグビー協会によると新リーグ参入を撤回したチームは初めて。

 九州ではTLの宗像サニックスが活動規模の縮小を検討している。(末継智章)

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経営難コロナ追い打ち

 九州電力や宗像サニックスと九州のラグビー界を支えてきたコカ・コーラの廃部。チーム関係者も発表直前まで知らされておらず動揺が広がった。

 選手やスタッフに廃部が知らされたのは4月28日。午前中に勤務していた社員の選手が、今季からは終日練習できるようになるなど、来季の新リーグ参戦に向けて意気込んでいた中での通達に、関係者の一人は「あまりに急で、今後のことを考える余裕がない」と言葉が続かなかった。

 創部時から福岡市が拠点。チームは2014年に国内のグループ企業全体から支援を受ける形になったが、資材・物流費の高騰などから本業の飲料ビジネスを取り巻く経営環境は厳しく、会社は19年に約700人の希望退職を募るなど経営の効率化を促進してきた。

 現在は本業の維持・成長に特化するための事業見直しを図っており、その一環で新リーグ参入に向けたチーム体制を再度検討した結果、廃部が決まった。関係者によると、コロナ禍で業績が悪化したことも追い打ちをかけたという。

 6月に新リーグの詳細の発表を予定しているジャパンラグビートップリーグの太田治代表理事も「新リーグに限らず、ラグビー界全体にとって大きな痛手であることは言うまでもありません」と悲痛なコメントを出した。

 九州では宗像サニックスが活動縮小を検討。九州電力も近年の実績は低迷している。3部制の新リーグはチームの実績や事業計画を基にカテゴリーが振り分けられるが、1、2部に九州勢が入らない可能性も出てきた。

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