戦力外通告の季節に思う この世界で持つべき姿勢

西日本スポーツ

【放送席 インタビュアーのこぼれ話】

 寂しい。プロ野球の日本シリーズが終わり、次の実況に備える必要がなくなったから…だけではない。「淘汰(とうた)の季節」が来たからだ。

 ホークスは日本シリーズで2年続けて巨人に4連勝。その余韻も翌日に吹き飛んだ。2018年に球団タイ記録の72試合に登板した加治屋蓮投手、内野のユーティリティー西田哲朗選手、今季2軍でチーム最多登板の松田遼馬投手に戦力外通告。いずれも1軍の舞台で輝いた姿を見ただけに複雑だ。その前にも18年にドラフト1位で入団した吉住晴斗投手や育成の9選手が通告を受けていた。

 この時期に思い出す二つのことがある。まず現在ホークスのスカウトとして活躍している元野手の話。現役時代に取材していて、すぐ彼の「頑固さ」に気付いた。練習ではコーチの助言にうなずくが、打席では結果が出なくても自分の形を貫いた。引退後に「最後まで変えなかったね」と言葉を掛けると「後悔はしていません」と答えたが、スカウトとして担当した選手への助言に迷うこともあると打ち明けた。「コーチの気付きを共有して実践していれば、別の野球人生もあったのかなと今は思います」と。

 もう一つは今年筑後で話した育成投手の言葉。「後悔したくないので今年は思った通りにやります」と宣言したが、結果は戦力外と厳しかった。

 この世界をうまく渡れとは言わない。それで通用するほど甘くはない。だが少なくとも「聞く姿勢」は持つべきだと思っている。忠告でも褒め言葉でも。私も誰かに実況者の引退勧告を受けたら甘んじて従う覚悟で精進する。でもオジサンはしぶといぞ。(フリーアナウンサー・久保俊郎)

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