柳田レベルの強打者がいきついた答え「最後は……」

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆ソフトバンク3-1西武(9日、ペイペイドーム)

 「母の日」のプレゼントは大きな白星だ。今季初めて4番を務めた柳田悠岐外野手(32)が、7回に勝ち越し打。3試合勝利がなかった上、8日の試合で骨折した主軸のグラシアルが離脱する重苦しい雰囲気を、一振りで一掃した。ホームの西武戦は今季6試合目で初勝利。楽天からの首位奪回とはならなかったが、流れは変わった。11日からは3位ロッテと2連戦。さらに大きな波に乗るぞ。

 8日の試合ではグラシアルの負傷離脱に零封負け…。加えて西武には今季本拠地で勝利がない。チームを覆う重苦しい雰囲気。一夜明けた母の日に振り払ったのは、やはり柳田だ。同点の7回2死三塁。代わったばかりの3番手サイド左腕小川の内角変化球を引っ張った。右前への適時打は、今季2度目の価値あるV打。「絶対に自分で点を取るという気持ちと、投手に負けないという気持ちだった」と力を込めた。

■試合前にお清めの「塩」

 ベンチは一気に沸いた。チームにとって3試合、25イニングぶりの適時打。8日の西武戦は9イニング中5度も先頭打者が出塁していずれも無死で得点圏に進んでいたが、無得点に終わっただけになおさらだ。9日も前半は拙攻に苦しんだが、出場選手登録を抹消されたグラシアルに代わって今季初の4番に座った男が期待に応え、4試合ぶりで、今季の本拠地西武戦では6試合目で初の勝利を引き寄せた。

 これまで何度も務めた「4番」。だが柳田にとって今回はひと味違ったようだ。要因は試合前に小久保ヘッドコーチから掛けられた言葉。「(4番を)意識しました。バリバリ。小久保さんに『おまえ、きょう4番だから、どっしりいけよ』と言われましたんで」と明かす。

■「感謝、プレーにぶつける」

 自身も勝利のなかった直近3試合で計1安打。8日には2点を追う9回2死満塁の絶好機で遊ゴロに倒れただけに、気持ちは高まっていた。自宅を出る前と球場に入った後に、塩を握りしめて体に振って身を清めた。「今までもやってますけどね。流れが悪いなと。あとは気持ちをもう一度入れて。(結果は)たまたまですけど。最後は気持ちが大事だと」。1点を追う6回も先頭で二塁打を放って同点のホームを踏むなど2安打マルチ。チームと自分の流れをまとめて変えた。

 プロ初出場は2011年の母の日だった。プロの壁を感じた入団当初に電話で漏らす弱気の虫を払ってくれた母由美子さんへの思いを胸にして10年。これで母の日の試合では27打数14安打で打率5割超えと孝行を続ける。4月に海外FA権の取得条件も満たした主砲は、改めて思いを語った。「毎年プレゼントも贈ってますよ。母さんに産んで育ててもらったのでね。周囲の方に感謝しプレーにぶつけていく」と、感謝をバットで示し続けることを誓った。チームは5カード連続で勝ち越しがなく主力の離脱も相次ぐが、とことん頼れる優しい男がけん引する。(山田孝人)

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