「ビビってるのが見えたらすぐ代えます」工藤監督が選手の危機感をあおる理由

西日本スポーツ 山田 孝人

 ピンチはチャンスだ! 工藤公康監督(58)が10日、グラシアルの穴を埋める若手の台頭を強く求めた。右手薬指剥離骨折などで3週間の患部固定が必要で、離脱は長期に至ることが確実。不動のレギュラーが当面不在となることで外野の一角が空席となる。指揮官は選手層底上げの好機と捉え、上林や真砂らレギュラーを狙う面々の一層のアピールと奮起を求めた。

 波に乗れない工藤ホークスにとって痛すぎるアクシデントになった。「不動のレギュラー」と位置づけていたグラシアルが、8日の西武戦で右手薬指剥離骨折などの重傷を負った。開幕からの37試合で打率3割4厘、5本塁打、15打点。今月中旬以降にはキューバ代表として東京五輪予選に参加するため離日する見通しだったとはいえ、5カード連続で勝ち越しがないチームにとって“グラショック”の衝撃は大きかった。

 それでも、下を向いている時間はない。絶対的な主軸が不在となったことは、レギュラー奪取を狙う選手にとっては好機でもある。11日からのロッテ2連戦(ペイペイドーム)を控えた10日、本拠地での若手中心の練習を見守った工藤監督は「アピールするチャンスになる。出たら、何が何でもという気持ちで向かっていってほしい。どうしようとか、びびっているのが見えたらすぐに代えます」と口調を強めた。

 空席となった外野の一角候補には、上林や真砂らが挙がる。上林は5日の楽天戦で1号2ランを放つなど3安打4打点をマークし「誰にも負けないつもりで最後までやっていきたい」と話すなど腕をまくる。今季初の開幕1軍に入った真砂も途中出場が主だが29試合で打率3割5分7厘、1本塁打、6打点と好調を維持しており「どんどん成績を上げていかないと」と常に口にするなど鼻息は荒い。9日の西武戦では前日3安打の牧原大が中堅に入り、2安打を放っている。

 ファームではバレンティンや13日から再登録が可能なデスパイネといった実績組が控えるが、首脳陣はコンディションの問題などで現状では昇格を見送る方針だ。当面は現有戦力で臨む見込みで、頼れる長谷川も健在だが、それだけ若手に寄せられる期待は高い。小久保ヘッドコーチも「若手にとってはめちゃめちゃチャンス。競争のないところに繁栄なし。チーム内の競争が長い目で見れば活性化にもつながる」と話した。

 工藤監督も「(レギュラーが)帰ってきても、今調子がいいから使いたい。ここで落とすわけにはいかないだろうと、思わせるようにしないと」と熱い言葉でハッパをかけた。苦しいチームの現況をプラスに変換させて、4・5ゲーム差に全6球団がひしめく混戦パ・リーグを抜け出すための原動力を求めている。(山田孝人)

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