「頭の整理が…」工藤監督が珍しく動揺した痛恨の1戦

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ソフトバンク8-8ロッテ(12日、ペイペイドーム)

 まさか、まさかの展開に指揮官も混乱!? 激しすぎるシーソーゲームでのドロー劇にソフトバンクの工藤公康監督(58)はショックを隠せなかった。パーフェクト投球から一転、大崩れした先発和田、9回に2点のリードを守れなかったモイネロ…。「勝たないといけない試合だった。うん…。僕のミスです」。指揮官は悔しさをのみ込み、2度のリードをふいにした責任を背負い込んだ。

   ◇   ◇

 工藤監督はしばらく平静を取り戻せなかった。「すみません。頭の整理ができていないので…」。3時間52分に及ぶ、壮絶なシーソーゲームを勝ちきれなかった。受け答えをしながらも、何度も目を閉じ思いを巡らせ、必死に言葉を紡ごうとしていた。いかなる状況でも、多弁に応じる指揮官にしては珍しい動揺ぶりだった。

 気まぐれだった勝利の女神の心をつかんでいたはずだった。2点のリードで迎えた最終回。戦線離脱中の「代役守護神」モイネロがこらえきれなかった。

 守備位置が中堅から三塁に変わったばかりの牧原大の失策と四球が絡み1死二、三塁のピンチを背負った。代打エチェバリアは2球で追い込んだが、3球目のチェンジアップを左前にはじかれる。これで1点差。続く荻野にも2ストライクからの直球を中犠飛にされた。ここまで今季14試合の登板で1失点だった左腕が2失点。自責は0ながら、初めてセーブシチュエーションを「失敗」した。

 「うーん…、うーん…。今日勝てなかったのは僕の責任です…。すいません」。指揮官は自らを責めた。序盤に柳田の「4番弾」などで3点を奪い、主導権を握りながら、4回まで完全投球を見せていた和田が5回に突如崩れた。レアードに3ランを許した後に快音を連ねられてもベンチは動かなかった。まさかの展開に采配も混乱が生じていた。結局、和田は打者一巡で7安打の猛攻を浴び、今季チームワーストタイの1イニング6失点にうなだれた。

 その重い空気を1度は攻撃陣がはね返した。3点を追う7回にハーマンを攻め込み、栗原の犠飛、柳田の適時二塁打、中村晃のタイムリーで追い付くと、甲斐の左中間最深部への2ランで逆転。ベンチは総立ちだった。打者一巡の猛攻を仕返し、一挙5得点で今季10度目の逆転勝利へ突き進むはずだった。最後にまさかの展開が待っていた。

 昨季まで2年連続で負け越したロッテに、今季は開幕カードから一気に4連勝を飾った。苦手意識を払拭(ふっしょく)したように思えたが、前夜まで3連敗。そして、手中に収めかけた白星を逃し、またも煮え湯を飲まされた。「今日は勝たなきゃいけなかった試合」。6カード続けて勝ち越せていない将は、全てを背負い込んだ。(鎌田真一郎)

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