衝撃の開幕黒星から快進撃の福岡 「J1レベル」に達したポイントとは?

西日本スポーツ

【アビスパ取材20年超 ライター・島田徹コラム】

 アビスパ福岡が絶好調です。クラブ史上初のJ1リーグ戦4連勝中。序盤に苦しんだ姿は遠い昔のようです。快進撃の要因は何か。アビスパ取材歴20年以上のフリーライター島田徹氏(56)によるコラム「“福岡”を語ろう」の今シーズン第6回では、守備に焦点を当てて分析しました。

3勝が完封

 9日の柏戦を1-0でものにして4連勝。クラブのJ1リーグにおける連勝記録を更新し、順位も6位まで上げてアビスパ福岡は好調の波に乗った感があります。

 その要因を探れば、もちろん素晴らしいゴールがあってこその勝利ではありますが、やはり安定感のある守備に目が行くのです。なにせ、4勝のうち三つは無失点による勝利ですから。

 開幕の名古屋戦を1-2で落とした際、長谷部監督は「J1のスピードと強度に選手が驚いたようだ」と言いました。それから引き分けを挟みながら勝ち点を徐々に積み上げていくと、今度は「J1の強度とスピードに慣れてきた」と指揮官と選手は口をそろえました。

 「強度」と「スピード」という二つのワードでくくっていますが、そこに含まれる要素は多岐にわたります。「強度」は球際の争いにおける直接的なフィジカルコンタクトにおけるもの、あるいは相手ボールホルダーに詰め寄る際の圧力を指すこともありますし、攻守の切り替えの連続性をその尺度で捉えることも。

 「スピード」は単純に走力にかかわるものを指す場合もあれば、プレーを選択する判断、カウンターと言われる速攻、また守備のために帰陣する時のグループとしての移動速度も含んでいます。

 攻守におけるさまざまな面での強度とスピードに“驚いた”開幕戦、それから徐々に“慣れた”のが1-3で敗れた4月14日の川崎戦あたりまでの感覚だったはずです。では4連勝中の現在はどんな感覚なのでしょうか。

 とても謙虚な指揮官と選手たちですから、まだ言葉にすることはないと思うので私が代わりに言いましょう。「今のアビスパ福岡がピッチで表現する強度とスピードはJ1レベルのものになった」です。ただし、「守備における」と限定します。

柏戦で確信

 そう感じるに至ったのが柏戦でした。既に渡の猛烈プレスは広島戦あたりから印象的でしたが、金森のミドルゾーンでのボールホルダーへの鋭く粘り強い寄せや、途中出場のファンマブルーノメンデスがそろって腰を落として相手のビルドアップに制限をかけるための準備を整え、ボールが動けば迫力満点のプレスをかけるなど、個の意識変革が進み、そこで表現する守備プレーの強度とスピードは、まさにJ1レベルです。

 チーム総体としてみても攻撃でボールを失った際の守備への切り替え速度は確実に上がり、ペナルティーエリア前に相手が入ってきた時のボランチとDFの間合いを詰める速度と強度は以前とは明らかに違います。

 昨季は無失点試合を重ねることで「堅守」という代名詞がつきましたが、それはあくまでJ2における物差しでした。しかし今、J1においてもそう表現できるレベルにまで到達した、そう感じますが、皆さんは?  (随時公開)

 ◆島田徹(しまだ・とおる)1965年3月28日生まれ。広島県出身。小学5年から福岡大1年までサッカーをプレーし、ボランチやサイドバックを務める。98年からサッカー専門誌の編集部に勤務し、アビスパの取材も開始。2008年から福岡拠点のフリーライターに。

【アビスパ福岡ハイライト】

 ▼4・28 アウェーのルヴァン・カップで札幌と1-1の引き分け。後半39分に先制点を与えたが、ロスタイムに城後のシュートがバーに当たったこぼれ球をマリが頭で押し込む移籍後初得点で追い付いた。

 ▼5・1 ホームで浦和に2-0で勝利し、21年ぶりのJ1リーグ戦での3連勝。前半8分にブルーノメンデスが先制点を奪うと、後半41分に途中出場のマリが右足でリーグ戦初ゴールとなる追加点を決めた。

 ▼5・5 アウェーのルヴァン・カップで鹿島に1-1の引き分け。前半24分にマリが公式戦3試合連続ゴールとなる先制点を決める。直後の同31分に同点に追い付かれ、1次リーグでの敗退が決定した。

 ▼5・9 ホームで柏に1-0で勝ち、クラブ史上初のJ1リーグ戦で4連勝を達成。後半3分にコーナーキックから志知が頭で決め、移籍後初ゴールが決勝点となった。公式戦7戦連続無敗で、リーグは6位に浮上。

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