粘りの戦いを支える救援陣 確率「62.8%」に見える充実度

西日本スポーツ 山田 孝人

〈鷹番が見た〉

 ◆日本ハム2-2ソフトバンク(16日、札幌ドーム)

 ソフトバンクが2点を先制されながらも引き分けに持ち込んだ。6回まで日本ハム先発の上沢に1安打に抑え込まれたが、7回にベテラン明石健志内野手(35)が値千金の2点適時打。救援陣が零封リレーで試合をつくった。オリックスに勝った楽天に首位を奪われ、2位に後退。ソフトバンク戦を含む1日4試合の引き分けは2リーグ分立後初めてだった。

 ピンチを迎えても、強力なホークスの救援陣は揺るがない。同点の9回にマウンドに上がったのはモイネロだ。2死満塁のサヨナラ危機を招くも、最後は樋口を外角高め154キロ直球で空振り三振に仕留めた。しのいだ瞬間に一つ息を吐いたものの、表情は全く崩れない。そんなしぐさを見て一層頼もしく感じられた。

 チームにとっては今季7度目の引き分け。2点ビハインドの7回に明石の一打で追い付いてのドロー。負け展開を痛み分けに持ち込んだ。それも、中盤以降の救援陣の踏ん張りがあったからこそだ。それだけに、モイネロも「勝つことはできなかったけど、引き分けで終わったことをプラスに考えたい」と口にした。

 この日に開催されたセ・パ両リーグの6試合のうち、史上初となる4試合が引き分けた。今季は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため延長戦は実施されず、9回終了で打ち切りとなる。勝率を考慮すると、どうやって負けを少なくするかが重要なシーズンだ。

 工藤監督も「いかに引き分けるかが大事。負けるところを引き分け、どう勝ち切るか。その中で最終的に(順位が)どうなるかは積み重ね」と話した。当然先発投手を早めに見切りをつけて継投に入る展開も多くなるが、ここまでの戦いを踏まえるとあらためて工藤ホークスの強みが際立つ。

 この日も先発二保を5回限りとして田浦→嘉弥真→津森→泉→モイネロとつないで点を与えなかった。今季は43試合を終えたが、救援陣が得点を許さなかった試合は27試合となった。「無失点リレー率」は6割2分8厘。リード時でもビハインド時でも、高確率で計算できるブルペン陣が健在なことは極めて心強い。

 ここまでリーグ最多タイ9度の逆転勝ちを収めているが、スコアボードに着実に「0」を刻むなど、防御率2点台で試合の展開を良化させ続けているリリーフ陣の存在が大きい。対照的に先発陣がリーグで唯一の同4点台と苦しむ中でも、上位にとどまれる要因でもある。

 リーグで救援陣の防御率が2点台なのは2位のソフトバンクと、この日に再び首位に立った楽天だ。引き分け数はソフトバンクが同3位タイの7で、楽天は最多タイの8。安定したブルペンを抱え、負け展開を引き分け以上に持ち込めるチームが上位争いを繰り広げることが予想される。

 5・5ゲーム差の中に6チームがひしめくパ・リーグ。工藤監督も「特に今年はそんなに実力があるとか、ないとかではないと思う」と激しい争いを見据える。守護神の森が離脱中で、モイネロも交流戦からしばらくチームを離れる。不安要素はあるものの、混戦を抜け出すには指揮官が手塩にかけて構築した救援陣の奮闘が鍵を握りそうだ。(山田孝人)

   ◇    ◇

 (8回から登板して1回を三者凡退)「良い投球ができたと思う。リズムよく3人で終わることができて良かった。良い状態が続いていると思う。キープしていきたい」

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