武田が西武本拠地で強いわけ 足元に宿る繊細な感覚

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆西武2-8ソフトバンク(18日、メットライフドーム)

 9回のマウンドに立つ武田にベンチから声が飛ぶ。「頑張れ! 頑張れ!」。今季44試合目でのチーム初完投が近づくにつれ、一体感が高まっていった。勝利目前の1死から岡田に本塁打を許し、2死からは栗山に四球を与えたが、128球目の143キロで山川を中飛にねじ伏せた。自身3年ぶりとなる完投勝利をつかみ取り、笑みを浮かべた。

 援護にも恵まれ終始、打者との対戦に集中できた。「カード頭なので、自分が引っ張るんだと。1イニング、1イニングと気付いたら7回、8回っていう感じだった」。最後まで投げきり散発の5安打、2失点で今季3勝目。「最後は、おきゅうを据えられたので、気を引き締めろってことなのかな」。チームの勝ち頭は充実感に浸りながら、ちゃめっ気も見せた。

 相性の良さが、万全ではないコンディションをカバーした。西武戦はプロ入り以来、10年連続の勝利となり、通算成績は17勝3敗に。メットライフドームに限れば8勝1敗と、勝率は驚異の8割8分9厘を誇る。「僕にマウンドが合うのかな」。好投のイメージが蓄積されている。

 同ドームは構造上、マウンドに立つと他球場に比べて低く感じるとされるが「ゆっくり、丁寧に足を着けないといけない」と分析。試合前のブルペン投球では精彩を欠いていたという右腕は、特性を熟知したマウンドでカーブを巧みに操り、緩急自在の投球で西武打線を翻弄(ほんろう)した。「慎重に、慎重にと投げて回を追うごとに良くなった」と振り返った。

 千賀、東浜の2本柱を欠き、クオリティースタート(先発投手が6回以上で自責3点以下)率はリーグ5位の38・6%と苦しむ中、待望の完投勝利だ。「明日、明後日と、しっかりリリーフ陣を使えると僕らも悩まなくて済む」。武田の完投勝利がチームにもたらす意味の大きさを、工藤監督の笑顔が物語っていた。(鎌田真一郎)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ