内村航平は「考えないようにしている」と…五輪動向に揺れる選手の心

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 2020年から1年延期された東京五輪の開幕まで2カ月を切った。新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、開催に否定的な見方は広がる一方だ。選手たちも複雑な思いを抱えて競技と向き合っている。

 体操の個人総合を2連覇し、東京五輪は種目別の鉄棒で出場を目指している内村航平(ジョイカル)=長崎県諫早市出身=は代表争いの真っただ中にいる。14日のオンライン会見では「僕の中では考えないようにしている」と胸中を明かした。

 昨年11月に開催された国際大会のスピーチでは「『できない』ではなく『どうやったらできるか』を皆さんで考えて、どうにかできるように、そういう方向に変えてほしい」と呼びかけた。だが、当時から新型コロナウイルスの感染拡大状況は悪化。「考えた先にたどり着いた」という結論として「まず体操選手として目の前の練習と、今開催されている試合に全力でやるだけ」と話した。

 ソフトボールのエース、上野由岐子(ビックカメラ高崎)=福岡市出身=は五輪競技から外れた時期を経験しただけに「ソフトボールはある意味そういうことに慣れているというか、初めてじゃないので」と冷静に受け止める。「開催されたときに、『やっぱりやって良かったな』と国民から思ってもらえるような試合、大会を自分たちが見せていけるかが大事だと思う」と準備を進める。

 競泳女子の池江璃花子(ルネサンス)は、会員制交流サイト(SNS)を通じて出場辞退を求めるメッセージが届いたと明かした。ツイッターには「今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然の事だと思っています」とした上で、「この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しい」と思いをつづった。

 先の見通しが示されないことも、現場に不安をもたらしている。バレーボール女子日本代表の中田久美監督は「これ以上、(感染者数が)下がれば五輪が開催できるとか、数値的な線引きではないけど、もう少し明確にしてもらいたいという思いはある」と明かす。「現場にもしっかりした情報や数値的な目安、期限だったりを提示していただけるとありがたい」と希望した。(伊藤瀬里加)

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