工藤監督「必然的に…」懸念が現実、悩み深き8回の問題

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆DeNA4-3ソフトバンク(1日、横浜スタジアム)

 6月スタートの試合で、ほぼ手中にしていた白星を逃した。ソフトバンクは栗原陵矢捕手(24)の逆転2ランなどで2点をリードしたが、8回、3番手で登板した松本裕樹投手(25)がまさかの3失点で逆転を許した。これで2連敗。楽天も敗れたため、リーグ首位の座は守れたが、得意の交流戦で2勝4敗1分けと波に乗れない。不在のモイネロと森の穴はあまりにも大きい。

満塁策が裏目

 あと1点への渇望から、最後のチャンスもついえた。1点差を追う最後の攻撃は、2死から牧原大が四球を選びチームとして5イニングぶりに出塁。ベンチはすかさず俊足牧原大の代走に周東を送り出す。狙い通り三嶋の注意を引き付け、代打明石の1ストライクからのけん制は悪送球に。ボールがファウルゾーンで転々とする間に、周東は一目散に三塁を狙ったがタッチアウト。予期せぬ形でゲームセットとなった。

 懸念していたことが現実になり、試合後の工藤監督は開口一番、自身に言い聞かせるように語った。「こういうゲームもあります。後ろが打たれれば、必然的にこうなってくる」。左肘を手術した森に加え、モイネロもキューバ代表として東京五輪予選に出場するため、交流戦前にチームを離れた。盤石の「勝ちパターン」の2人が抜けてから初めて、僅差のリードで終盤を迎えていた。

 2点リードの8回、マウンドを託したのは松本だった。「ピッチングコーチから、今日は8回でいかしてみたいということだった」。泉は5月30日巨人戦で8回に登板してスモークにソロを浴びるなど、直近6戦で5失点と安定感を欠き、津森も既に7回に登板。リリーフへの配置転換後、登板した全3試合で複数イニングを投げながら、7回無失点と好投を続けていた右腕に白羽の矢が立った。

 その一手が裏目に出た。1死一、二塁から宮崎に初球カーブを左翼フェンス直撃のタイムリー二塁打とされ1点差。なおも1死二、三塁でソトへの初球がボールになったところで申告敬遠で満塁策をとった。3安打のルーキー牧との勝負を選ぶも、低め149キロを捉えられ右中間フェンス直撃の2点適時二塁打で逆転を許した。「大事な場面で使ってもらったのに、その期待に応えることができなかった」。抜てきされた「8回」で3点を失い、3敗目を喫した右腕はうなだれた。

 改めて森、モイネロの不在が与える影響の大きさを実感する敗戦は、指揮官の頭を悩ませる。「松本君を使ったことが悪いとは言いません。そこが野球の難しさ。これで抑えたら『松本で8回決まり』みたいな記事になるんでしょ? 打たれたから、どうするんですか?ってなるんです」。楽天も敗れ首位をキープするものの、得意の交流戦で本領を発揮するには難解な課題を解決しなければならない。(鎌田真一郎)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ