急上昇の打線でプロ9年目の苦労人が脚光 今度こそブレークなるか「ミギータ」真砂

西日本スポーツ 森 淳

 ◆阪神3-8ソフトバンク(6日、甲子園)

 湿りがちだったソフトバンク打線に活気が戻ってきた。この2試合で計18点を挙げ、セ・リーグ首位の阪神に甲子園で連勝。カード3連戦を勝ち越した。

 デーゲーム連勝を17で止め、勝敗交互の“オセロ”も日本タイの16試合でストップと、阪神の記録が二つも途切れた。2戦6打点の甲斐、1番抜てきで奮闘の三森…。連勝のキーマンは何人かいるが、その中で9年目の外野手・真砂のひたむきなプレーが光っている。

 まず5日。「5番中堅」でプロで初めて主軸に座った。阪神先発の伊藤将からオープン戦で本塁打を放っていた経緯もあった。2点を追う5回、反撃の口火を切る適時二塁打。一塁走者・柳田が生還する間に三塁へ進む好走塁も見せ、甲斐の逆転2ランにつなげた。

 5打数でこの1安打だったが、工藤監督も「ちょっと暗い雰囲気だったベンチを、真砂があの一打で盛り上げた」と評価。「走塁も二塁で止まるのと三塁まで行くのでは違う」と褒めた貢献ぶりだった。

 6日も「5番中堅」で先発。初回に栗原の先制打の後、2死一塁から中前打でつないだ。すると満塁までチャンスが広がり、甲斐の2点打が生まれた。5回無死一塁では初球で送りバント成功。4打数でこの日も1安打だったが、貴重な一打が目を引く。先発出場14試合中12試合で安打。コンスタントだ。

 下積みが長くなった。京都・西城陽高で通算52本塁打も、甲子園出場はなく全国的には無名。ドラフト4位で2013年に入団した。16年オフに新設されたU-23(23歳以下)ワールドカップ(W杯)で4番として日本を優勝に導き、大会4本塁打で最優秀選手(MVP)に選出。“右の柳田”の期待を込めて首脳陣から「ミギータ」とも呼ばれ、上林らと定位置を争ったがブレークに至らず、雌伏の時は続いた。

 昨季は主に代走、守備で出番を増やし自己最多の50試合に出場、規定打席未満ながら打率3割1分4厘。打撃でも数字を残し、今季は初めて開幕1軍入りした。ここまでの打率3割1分も光るが、長打率が高く4割6分6厘。やはり規定打席未満だが、チームでは柳田(5割3分4厘)、栗原(4割8分9厘)に次ぐもので、数字としてはグラシアル(4割5分7厘)より上だ。

 今季も出番に恵まれているわけではない。5日は実に9試合ぶりのスタメン。直前2試合で3打席に立っており、首脳陣も先発を見据え準備させた様子がうかがえるが、そこできっちり結果を残せるのは立派だ。

 毎日が勝負。そんな立場の悲哀などおくびにも出さない。持ち前のキャラクターで場を明るくし、試合前の円陣で声出し役が巡ってきた日には、ヘリウムガスを吸って声を変えてしゃべり、爆笑を誘ったこともあった。27歳。何かやってやろうという姿勢が、エネルギッシュな空気をつくっている。(森 淳)

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