内村航平、今まで覚えた大技のトップ3は

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 体操の東京五輪代表最終選考会を兼ねた全日本種目別選手権最終日は6日、群馬県の高崎アリーナで各種目決勝が行われ、男子個人総合で五輪2連覇の内村航平(ジョイカル)=長崎県諫早市出身=が種目別鉄棒で4大会連続の五輪出場を決めた。同日の決勝で2位の15・100を記録。今大会まで3大会、計5演技が対象だった日本体操協会が独自に定める選考基準で跳馬の米倉英信(徳洲会)=福岡市出身=をわずかに上回った。日本で体操の4大会連続五輪は、1964年東京大会で日本選手団主将を務めた小野喬以来、2人目。

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 内村はこれまでに6種目で約500の技を習得している。鉄棒に専念して最大の武器となった「ブレトシュナイダー」は、「今まで覚えた技の中でも1、2番目くらいに難しい技。上位トップ3には間違いなく入る」と断言する。鉄棒で2番目に高いH難度の大技。そう考えるのも自然だ。

 「2トップ」としてもう一つ挙げたのが跳馬の「リ・シャオペン」。こちらも高難度で、以前、跳躍時に命の危険を感じたことも明かしていた。

 では、トップ3の最後の一つは何だろう? 少し考え込んだ末、意外な答えが返ってきた。

 「あとは『蹴上がり』とかになるかな。(記憶が)鮮明に残っている」

 蹴上がりは鉄棒にぶら下がって体をスイングさせた反動で上半身を鉄棒の上に持ち上げる基本技。5、6歳の頃に挑戦したが、最初は何百回やってもできなかった。懐かしげに「僕だけできなかった。全然できなくて、妹の方が先にできたんですよ」と振り返る。

 「蹴上がりは本当に難しい。あれだけ苦労したのに、教える時は分からないんですよ。セオリーはあるけど、その人に合っているか分からない。体操って『1+1=2』じゃないんですよね」

 「キング」と称される今も、万人に共通する正解は見つかっていない。「答えがない。無限に続くゲームを自分で体現しているみたいな感じ」。極めれば極めるほど、体操の奥深さを思い知る。蹴上がりに苦労した少年時代から、ずっとその繰り返しだ。(伊藤瀬里加)

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