和田、永遠のライバルに肩を並べた大記録

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆阪神3-8ソフトバンク(6日、甲子園)

 ソフトバンクの和田毅投手(40)が思い出の甲子園で、話題のルーキー佐藤輝を3打席3三振に仕留めるなど今季最長の7回を無失点に抑えて4勝目を挙げた。「松坂世代」の盟友、巨人の杉内投手コーチのプロ野球通算142勝、交流戦通算最多26勝に肩を並べた節目の勝利で、チームは敵地2連勝。交流戦2カード目の勝ち越しを決め、リーグ首位の楽天を2ゲーム差で追う。

松坂世代現役は2人

 40歳の和田が甲子園で輝いた。今季10度目の登板で初のビジター登板。黒土の上で試合を支配する。7回は先頭で規格外の新人佐藤輝と3度目の対戦。3球勝負を挑みチェンジアップでバットに空を切らせると、虎党のため息が聖地を包んだ。「(甲斐)拓也とのプラン通り、うまく相手の裏をかくことができた」。怪力ルーキーを3打席3三振と寄せ付けなかった百戦錬磨の左腕が笑顔で振り返った。

 二塁まで走者を許したのは4回の1度だけ。工藤監督からも「カーブが良かった」と試合後に声を掛けられたように、緩急を使って被安打4、無四球で今季最多タイの8三振を奪い今季初めて7回を投げ切った。球数は109。「昔だったら完封を狙うところだけど、また一つ課題ができた」。交流戦歴代トップに並ぶ26勝目を挙げてなお、頭の片隅には夢がある。

 交流戦勝利数とともに、NPB通算勝利数も142としホークス時代の盟友、巨人の杉内投手コーチに肩を並べた。「比較するものではないけど、一つの節目として良かった」。同学年で同じ左腕、チームメートでありライバルだった。「松坂世代」でも特に比較されてきた2人の間柄は、2人にしか分からない特別なものだ。

 昨年12月、熊本県人吉市で野球教室とともに小学校で「夢」をテーマにした授業も行った。和田は自身の夢を「完全試合」と掲げた。「打倒ホークス」と記した杉内コーチとは対照的で、現役選手とコーチの違いがくっきり。現役時代は寡黙だった杉内コーチが、子どもたちと同じ目線で語り掛ける姿に、和田は「やっぱり、指導者をやっているだけはあるな」と感心していた。

 1998年夏の甲子園。和田が浜田(島根)をベスト8に導き、鹿児島実の杉内もノーヒットノーランを達成していた。「デーゲームでお客さんが入っているのは、あの時以来。この場所で投げるのはすごくいいもの」。2003年の日本シリーズや、07年の交流戦の登板はいずれもナイター。昨年6月の練習試合はデーゲームだったが無観客だった。

 年を重ねても「甲子園は特別な場所」との思いは変わらない。今春の選抜高校野球に初出場した聖カタリナ学園(愛媛)を率いた越智良平監督は、早大で同学年の主将。和田は取材のたびに「同級生なので、よろしくお願いします」と付け加え、頭を下げた。同世代の野球人はそれぞれ立場が変わる中、現役を続けているのは西武松坂と2人だけ。プロ19年目の左腕は、今なお選手として高みを追い求めている。(鎌田真一郎)

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