ラグビー日本代表の垣永、大けが乗り越えて5年ぶり復帰

西日本スポーツ 大窪 正一

【記者コラム】

 ラグビー日本代表が12日、史上初の8強入りを果たした2019年ワールドカップ(W杯)日本大会以来となる実戦に臨む。舞台はW杯で強豪アイルランドを撃破した静岡・エコパスタジアム。相手は昨季限りでスーパーラグビーの活動を終えた日本チーム「サンウルブズ」だ。強化試合のために今回特別編成。「復活」を喜ぶファンも多く、コロナ禍で止まっていた時計の針が動きだす皮切りとして申し分ない。

 発表された日本代表メンバーの中にその名前を見つけた時は、うれしかった。東福岡高出身のプロップ垣永真之介(サントリー)。15年W杯イングランド大会で最終候補まで残ったが落選しバックアップメンバーに回った。翌16年6月のスコットランド戦には出場したが同7月の代表合宿で右膝を大けが。19年W杯の代表争いから離脱した。挫折を乗り越えて5年ぶりに返り咲いた垣永は「悔しかったのをすごく覚えている」と喜びをかみしめる。

 情熱あふれる男だ。東福岡高3年時は史上最強と評されたチームの主将だった。国内の高校に公式戦無敗のまま、春の選抜と冬の花園を制覇。「愛」をスローガンに掲げ、体を張った仲間をたたえ、ミスを責めずポジティブな言葉で鼓舞していた。その姿勢はスクラム前に「絶叫」で鼓舞する今に通じている。

 12月に30歳を迎える。早大、サントリーとトップレベルでプレーを続けてきたが、もう一段突き抜けることができないまま年を重ねた。フィールドプレーに定評があった一方でスクラムが弱点だったからだ。「そこを克服しないともう一つ上のステップにいけない」と自覚していた。

 今季はコロナ禍で生まれた長いプレシーズンにスクラムを強化。手、足、肩の位置を一つずつ確認し、毎回同じ動作ができるように体にしみこませた。「トップリーグ(TL)では少し通用してきたが、世界でやるとなると全然」。今季のTLで初のベストフィフティーンに結びついた自信、そしてさらなる向上心がみなぎる。

 強化試合は26日の全英・アイルランド代表ライオンズ戦(英エディンバラ)に向けたジャージー争いの一環だ。2年後のW杯フランス大会につながっている。「そこが目指すところだが、まずは目の前のことを全力でやっていく」。厳しい道のりは覚悟の上でも、円熟期を迎えた垣永は「心の余裕はある」と頼もしい。静岡のフィールドでも響き渡るであろう絶叫が待ち遠しい。(大窪正一)

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