全国2勝できなかった大学野球部が新たな歴史 実績ある球児たちの変心

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 福岡大、初決勝ならず-。全日本大学野球選手権は12日、神宮球場で準決勝2試合が行われ、福岡大(九州六大学)は福井工大(北陸大学)に0-2で敗れ、初の決勝進出を逃した。永江大樹主将(4年・東福岡)が準々決勝で右肩を脱臼したチームは、先発の藤松亮輔(4年・西日本短大付)が8回途中まで2失点と好投したが、好機であと一本が遠かった。それでも、初めて1大会2勝以上と4強入りを達成。新たな歴史の扉を開いた。

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 福岡大最大の好機は、相手の継投策に阻まれた。1点を追う5回、2四球と相手失策で1死満塁とした場面で福井工大は左の祝原から右の立石にスイッチ。ここで中村(4年・九産大九州)が遊ゴロ併殺打に倒れた。6回も1死から井上(4年・久留米商)が三塁打で出塁しながら、無得点に終わった。

 「相手は全国常連で試合がうまく、1点が遠かった」と堀監督。計6回も得点圏に走者を進めたが、スコアボードには9個のゼロが並んだ。

 ベンチの最前列では、右肩を固定した永江主将が声を張り上げていた。5番打者で遊撃手という攻守の要は10日の国学院大との準々決勝で審判と交錯して脱臼。「自分は出られない分、他の選手がやってくれると信じていた。ベンチから援護しようと思った」。チームも「永江の分まで」を合言葉に奮起したが、初の決勝にわずかに届かず。堀監督は「もう一つ上の景色を見てみようと話したけど、もう一つ、及ばなかった」と無念さをにじませた。

 それでも初の1大会2勝以上で4強入り。歴史を塗り替えた選手たちを、OBの堀監督は「二つ勝てない壁を自分たちでつくり上げていた。新たな階段を見せてくれた」とたたえた。

 2019年に就任した指揮官は「全力疾走や声かけ、誰でもできることを常にやり続けることだけを言ってきた」という。もともと九州内で実績のある選手たちが、永江主将を軸に泥くさいプレーを見せ、今大会では2度の1点差勝利を挙げるなど勝負強さを発揮。指揮官は「全国でも抜け目なくいい戦いができた」とうなずいた。

 「全国の投手力の高さ、1点を取る集中力を学ばせてもらった。(好機で)力を抜いていかに打てるか。それを帰って練習したい」。堀監督は課題を掲げた。さらなる飛躍を目指し、福岡大が新たなスタートを切る。(伊藤瀬里加)

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