300号&1000安打&12球団制覇弾 バレンティンがメモリアルだらけの一振り

西日本スポーツ

 ◆ソフトバンク4-6ヤクルト(13日、ペイペイドーム)

 待ち望んだ快音がようやく響き渡った。6点を追う5回1死だ。バレンティンは高橋が投じた、甘いチェンジアップを左翼テラス席へと運んだ。3号ソロは外国人選手としては通算4人目の300本塁打。古巣ヤクルト相手に決め、41人目の全球団本塁打も達成だ。

 王手をかけてから14試合ぶりで達成したメモリアル。「時間はかかってしまったけど、今まで積み重ねてきた数字なので素直にうれしい。個人成績としても決して簡単ではなかった。達成できてよかった」と納得顔を浮かべ、一塁ベンチ前で記念ボードを掲げた。

 1101試合目での達成は歴代5位。さらに、この一振りは通算1000安打ともなり、同時達成は同じく300号&1000安打を2015年に記録した西武中村以来だ。記録に彩られた節目ともなり「一振りで同時に決められてうれしいです」とうなずいた。

 9年在籍したヤクルトのベンチでも大きな拍手が起きた。「長くお世話になったチームだから。一緒に過ごした時間も長かったので、その相手に本塁打を打てたことはうれしかった。向こうも同じ気持ちだったと思う」。だからこそ多くの思い出がこみ上げてくる。

 古巣での口癖は「とにかく勝ちたいんだ」。負けるとベンチで誰よりも悔しがった。自身が好調でも負けが込んでくると気持ちが下がり、時に緩慢な動きにつながることもあったという。何より勝利を欲したことも大きな理由となって昨季ソフトバンクに移籍した。

 ところが移籍1年目となった昨季は、不振でわずかに9本塁打に終わった。長い2軍暮らしを味わったこともあった。チームがリーグ優勝と日本一に輝く中で、何よりも求めていた勝利を主力として味わうことができなかった。それだけに今季に懸ける思いは強い。

 自身が誰よりも慕う王球団会長は球場で見守ってくれた。常に気にかけてくれ、時には筑後のファーム施設まで足を運び指導を施してくれたこともあった。王会長は「重圧もあっただろう。これで気楽にできるだろうし、売り物の長打力をもっともっと発揮してほしい」と喜び期待を寄せた。

 7回は石山の真っすぐをたたいて右中間テラスへと運ぶ2打席連発の4号2ラン。この日の2本は勝利につながらなかっただけに笑みはなかったが、速攻で301本目を放った男は「これからもチームの勝ちにつながる一本を打ち続けたい」。チームは交流戦最終戦も敗れて、現18試合制度となって以降は、初の同一カード3戦全敗を喫した。波に乗れない状態が続くが、上り調子のプロ野球記録のシーズン60発男が勢いに乗せる。(山田孝人)

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