王会長の熱血指導も…足踏み続くソフトバンク 工藤監督が求めた「勇気」の意味

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆ソフトバンク1-1日本ハム(20日、ペイペイドーム)

 工藤ホークス初の異常事態だ。ソフトバンクは主砲柳田悠岐外野手(32)の一発で追い付きながら、その後は打線が沈黙して今季13度目の引き分け。7戦連続で勝ち星がないのは2012年以来となった。10試合連続の1桁安打で43イニング連続で適時打もない、と打線の調子は一向に上がらない。工藤監督は打線に奮起を促した。

■ソフトバンク9年ぶり屈辱

 久しぶりの勝利に向けた機運が一気に高まった。盛り上げたのは主砲のバットだ。1点を追いかけていた5回。柳田が好投を続ける日本ハム先発加藤の投じた初球、甘く入ってきた102キロのカーブをフルスイングだ。4試合ぶりの同点15号ソロを右翼席へ運んだ。

 「いい反応ができた」と納得する一打は周囲の助言に導かれていた。「試合前の練習時に王会長、平石打撃コーチからアドバイスをいただいたおかげで、いいスイングで打てた」。グラウンド上で、約15分にわたり熱く指導してくれた王会長らへの感謝を口にした。

 ところが反撃ムードもここまでだった。後続は3者連続三振に倒れて5回は1点止まり。6回以降は安打すらなかった。工藤監督が「(加藤の調子が)良かったのかなと見てますよ」と評した左腕に8回まで投げられて、最後も守護神の杉浦にかわされた。

 今季3度目の2戦連続引き分けで、これで両リーグ最多タイの13度目だ。今季は9回で打ち切りとなる特別な形ではあるが、13度は球団では1974年の16度以来。工藤監督は「負けているわけではない。引き分け。ああ、となってはいけない」と努めて前向きに捉えた。

 交流戦から苦しむ打線の状態が一向に上向かない。今季最少タイの2安打に終わり、1桁安打も今季最長の10試合連続。これで適時打も43イニング連続で生まれていない。最下位日本ハムを本拠地に迎えての3連戦は1敗2分けとなって、2カード連続での負け越しとなった。

 小久保ヘッドコーチは「打線全体の調子が落ちている。そんなことはあまりないが、猛打賞を打った選手がどれだけいないか」と振り返る。言葉通り、今月は3日に松田が3安打、10日に三森が4安打の2度だけ。打線が悩ましい状態を明確に裏付けている。

 勝ちきれないチームはこれで、7試合連続の未勝利に終わった。2012年以来9年ぶりで、工藤ホークスでは初の事態でもある。打線については「何とか自分で打破していかないといけない部分では。勇気を持つことがすごく大事」と積極的に向かっていく姿勢を求めた。首位楽天との差は1・5ゲーム差に縮まり、4位ロッテとの差も1で、5位西武とも1・5差と変わらなかった。足踏みが続く中での“不幸中の幸い”だ。(山田孝人)

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