J1福岡に見えた、得点力アップの可能性 取材歴20年超のライター島田徹

西日本スポーツ

【アビスパ取材20年超 ライター・島田徹コラム】

 アビスパ福岡が再開したリーグ戦で今季初の連敗を喫しました。前半戦で見せてきた快進撃に陰りが出てきたのでしょうか。アビスパ取材歴20年以上のフリーライター島田徹氏(56)によるコラム「“福岡”を語ろう」の今シーズン第8回では、19日の神戸戦について分析。得点の可能性を感じさせるシュートが増えた攻撃面の進歩について考察しました。

   ◇    ◇

 19日の神戸戦で、全38節の今季J1リーグの半分となる19試合を戦い終えました。神戸戦で今季初の連敗、5位から7位に順位を落としましたが、それでも今季の目標である「10位以内」の位置につけ、目標の勝ち点「50」の半分以上となる「29」を獲得。「順調に推移している」と語る長谷部監督の言葉通り、前半戦は十分に良い戦いをしてくれたと、皆さんも評価していることでしょう。

 とはいえ、後ろに続くチームとの勝ち点差はわずかです。次節27日の浦和戦から始まるリーグ後半戦ではさらにギアを上げる必要があります。前回コラムでも触れたように攻撃力アップが上位争いを続けるための鍵になりそうです。

 神戸戦までリーグ戦は約3週間空きましたが、その期間でチームは攻撃面の整備に時間を割いた様子。具体的な取り組み内容は練習が非公開のため不明ですが、神戸戦で“見えたもの”があります。

 まずは個々の選手がプレーの幅を広げようとしていること。サロモンソンはクロスを入れるタイミングと位置が多彩になり、右サイドからカットインしてからの左足シュートやクロスにも挑戦していました。重広はサイドからのクロスに対して勢いよくゴール前に入り、あまり得意ではないと思われるヘディングで合わせようとの意欲を見せました。個々のプレーの幅を広げることでチームの攻撃の幅も広がるということでしょう。

 そしてアタッキングサード(相手陣内に攻めこんだエリア)に入ってからのグループの関わりに厚みを感じました。複数の選手が追い越す動きや短い距離でサポートするなど、ボールホルダーのプレーの選択肢を増やすことで、攻撃の質を上げる。例えば神戸戦の後半10分、左サイドの杉本に輪湖と山岸が絡み、杉本のパスコースをつくりました。杉本はパスの選択肢をつぶそうと動いた相手の逆を取り、ドリブルで中央に進むことを選択、右足シュートで終えました。

 それからコンビネーションに深みも。神戸戦では山岸が天皇杯2回戦の鹿児島戦に続き、クルークスのゴールに向かうクロスボールの軌道にうまく入ってゴールを挙げました。これはクルークスのクロスの質を山岸が十分に理解し、連係の質向上が生んだゴールと言えます。ほかの選手同士がお互いの特長を理解し、生かし合う場面も見えました。そういう積み重ねが神戸の6本を上回る9本のシュートを放つ事実を生んだはずです。

 もちろん、決めなければ意味はありませんが、得点の可能性を感じさせるシュートが増えたという事実に攻撃の進歩を感じるのです。皆さんの目にはどう映りましたか。

 ◆島田徹(しまだ・とおる)1965年3月28日生まれ。広島県出身。小学5年から福岡大1年までサッカーをプレーし、ボランチやサイドバックを務める。98年からサッカー専門誌の編集部に勤務し、アビスパの取材も開始。2008年から福岡拠点のフリーライターに。

PR

アビスパ福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング