0秒02差で連覇、五輪当確の児玉芽生 最後に背中押された元日本記録保持者の言葉

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 陸上の東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権は25日、大阪市で男女の100メートル決勝などが行われ、女子は児玉芽生(福岡大)が11秒62で2連覇を達成した。同種目の参加標準記録は破ることはできなかったが、日本が出場権を獲得している女子400メートルリレーでの代表入りは確実。日本のエースとして初めての夢の舞台を走る。

0秒02差11秒62

 最後は女王の意地だった。児玉が2位に0秒02差で競り勝ち、連覇を達成し、女子400メートルリレーでの東京五輪代表も確実とした。「ホッとしている。プレッシャーがある中でのレースだったけど、勝ち切れたことが自信になった」。緊張感から解放されたように、穏やかな笑みを浮かべた。

 五輪選考会の重圧の中、レース直前は「不安があった」と明かす。ウオーミングアップでは思うように体が動かなかった。最後は女子200メートルの元日本記録保持者、信岡沙希重コーチの一言に背中を押された。

 「覚悟を決めてやるしかない。自分を見失っても戦えない。誰がどんなレースしようが、自分のレースを貫きなさい」

 向かい風1・9メートルの悪条件も「夢中になりすぎて気づかなかった」。中盤でトップに立つと、終盤は壱岐の猛追に「きたな」と感じたというが、何とか振り切った。

 2学年上の姉・彩希さんの影響で小学3年生から陸上を始めた。友達との遊び感覚で楽しんでいたが、引っ込み思案な性格。最初は「負けるのは嫌だけど、目立ちたくはない」と、周囲と同じ速さで走ろうとしていた。

2冠へ次は200メートル

 姉の全国大会の応援に行くようになると、興味のなかった“勝負”にも本気になった。「県で一番の姉より速い選手がいっぱいいてびっくりした。雰囲気にも憧れを感じて、そこから気持ちが変わった」。5年生で初めて全国大会に出場し、100メートルで優勝。その後も高校、大学と各年代で日本一を経験してきた。

 福岡大では信岡コーチと二人三脚で走りを磨き、感覚に頼っていた走りに理論がかみ合うようになった。昨年、日本歴代3位の11秒35をマーク。今季は世界リレー選手権で日本の2大会ぶり五輪切符獲得に貢献した。

 東京五輪のリレーにエースとして臨むことになる。「このタイムでは世界とは戦えない」。世界最高の舞台を見据えながら、まずは26日に始まる200メートルに挑む。(伊藤瀬里加)

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