15年ぶりの初戦突破へ、10人の部員と「野球ノート」福岡・築上西高の挑戦

西日本スポーツ 大橋 昂平

 第103回全国高校野球選手権福岡大会は6日、135チームが参加して県内各地で開幕する。選抜8強の福岡大大濠、春の九州大会準優勝の九州国際大付などが有力候補に挙がる中、公立校も独自の形で強化を進めてきた。米国で広く用いられるデータ分析法を駆使する城南は8強以上が目標。築上西は23歳の「青年監督」と10人の部員が、15年ぶりの「夏1勝」を目指す。(大橋昂平)

 無人のグラウンドが指導者としての「第一歩」だった。九共大を卒業し、築上西に体育の教員として赴任した昨春。野球部部長を任され、意気込んでいた浜村監督は目を疑った。「がくぜんとしました」。選手の姿が一人もなかったからだ。

 ミーティングを開き「何のために野球をしているんだ」と伝えた。選手の答えは「夏1勝のためです」。思いを確認すると、すぐに時間厳守やあいさつから指導を始めたが、昨夏の独自大会は福岡中央地区の初戦で育徳館に3-11で敗れた。

 今春に23歳の若さで監督に就任した。高校時代は門司学園で1年夏に福岡大会4強。準硬式でプレーした九共大では2年時に全国4強と活躍した経験も生かして指導。10人の部員で臨む今夏、15年ぶりの初戦突破へ導こうと奮闘している。

 監督になり、選手と交わす野球ノートを通じて思いを探った。「声がまだ小さい」「勝ち試合を逃して悔しい」。次第に野球に前向きになる選手たちに希望が見えた。今年5月の練習試合では八幡南に2-3で惜敗。最後まで食い下がった。

 中軸の角渕主将(3年)は「自分たちでもできるんだと思えた」と自信を口にする。エース矢野(同)は昨冬の走り込みや自宅トレーニングで体重が7キロ増の58キロになった。その成果もあり、左腕からの直球は今春に最速137キロを計測した。

 9日に初戦の2回戦で、夏の甲子園を2度制した伝統校の小倉と対戦する。浜村監督は「人生の糧となるものを必ず得られるのが『高校野球』だと信じています」と力を込める。10人の部員とともに、15年ぶりの「第一歩」に挑む。

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