ソフトバンクの新救世主レイ 大記録寸前の快投は質問攻めと15年からの研究の成果

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ソフトバンク8-0楽天(12日、ペイペイドーム)

 ソフトバンクのコリン・レイ投手(31)が今季チーム初の完封勝利だ。前回カード3連敗を喫した楽天との3連戦初戦で、8回2死までノーヒットノーラン。大記録こそ逃したが、楽天打線を2安打に抑えて来日6試合で3勝目を手にした。観客動員の上限が1万人に引き上げられたこの日、ほぼ1カ月ぶりの3連勝。首位オリックスとのゲーム差を3、3位楽天とは0・5に縮めた。

135球被安打2

 偉業達成とはならずとも、レイは最後までマウンドを守りきった。8点リードの9回1死一塁。村林に対し、この試合135球目はナックルカーブ。狙い通りゴロを打たせ4-6-3の併殺打に打ち取り、今季チーム86試合目での完封一番乗り。右腕はようやく表情を緩めた。

 球団の外国人投手では2015年のスタンリッジ以来の完封勝利。「人生初めての完封なのでうれしい」。日米通じ自身初のシャットアウト劇をかみしめながら「自分としても達成したかった」と本音を語った。色気をのぞかせたのは、残りアウト四つまでこぎつけた無安打無失点だ。

 6回のマウンドに上がる際、スコアボードが目に入り意識したという。8回2死から田中貴に四球を与えた後、代打炭谷に内角ツーシームを右前に運ばれ快挙はついえた。それでも8回で来日最多を上回る124球を投げながら「自分が投げる試合は最後まで投げたい」と続投を志願。連投していたモイネロがベンチを外れた一戦での力投だった。

「人生初めて」

 「彼なしでは、今日みたいな投球はできない。1試合のために、どれだけ時間を費やし勉強しているか」。感謝したのはバッテリーを組む甲斐だ。序盤は最速151キロの直球を武器にしたパワーピッチングで、2回の岡島から4者連続三振を奪った。2巡目に入り、相手打線の変化に気付いた甲斐に「真っすぐが狙われている」と伝えられた。信頼する相棒のリードを信じ、カットボールを効果的に使って狙いを外していった。

 自身も研究を怠らない。パドレスでメジャーデビューした15年のオフに野球教室で日本を訪れた。日本の野球も気に掛けるようになると、4年連続日本一を果たすソフトバンクの戦いぶりが目についた。

 来日して、まず声を掛けたのがリハビリ中の千賀だった。常勝軍団の中心選手に、中6日での調整法など米国との違いを質問攻めにした。剛腕が19年に成し遂げたノーヒッターの快挙こそ逃したが、向上心あふれる右腕を工藤監督は「それに匹敵する投球だった」と絶賛した。

 チームは6月9日広島戦以来の3連勝。引き分けを挟まない3連勝は、4月23日のロッテ戦にまでさかのぼる。貯金は「2」となり、3位楽天とは0・5ゲーム差。スコアボードに9個の「0」を並べたレイの快投で、残り2試合となった前半戦のAクラスターンが見えてきた。(鎌田真一郎)

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