最後はこだわりの内股 担ぎ技に抵抗した芳田司「闘う相手に背中を向けるなんて意味わからん」

西日本スポーツ 末継 智章

 女子57キロ級で初出場の芳田司(コマツ)は準決勝でジャコバ(コソボ)に敗れ、3位決定戦でリパルテリアニ(ジョージア)に一本勝ちして銅メダルを獲得した。同級は松本薫が12年ロンドン五輪優勝、前回リオ五輪3位で、日本勢は3大会連続メダル。

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 最後は原点に返った。「研究されていたので別の技を使ってきたけど、最後は内股で決めたい」。芳田は3位決定戦の開始約1分に得意の内股で技ありを奪うと、3分すぎにも狙い通りの内股で技あり。合わせ技一本勝ちで銅メダルに輝いた。

 目指したメダルの色はもっとも輝く金色だっただけに、発する言葉には無念の思いが詰まっていた。「悔しいです。金メダルを目指していたので。(決勝で)勝ちたかった」。涙はあふれ、おえつが止まらなかった。

 初戦の2回戦では一本背負い投げで一本勝ち。準々決勝では袖釣り込み腰で技ありを奪った。中学入学前から足技を生かすために担ぎ技も必要と言われながらも「闘う相手に背中を向けるなんて意味が分からん。それほど怖いことは(他に)ある?」と抵抗した。しかし実績を重ねるとライバルたちの警戒もきつくなって内股がかからなくなり、コロナ禍の1年間で新たな武器として磨いてきた。

 コソボ選手との準決勝も積極的に攻めた。「気持ちの部分で前に出すぎてしまった。我慢につながらなかった」。一瞬の隙を突かれて密着され、ポイントを奪われた。

 2012年ロンドン五輪金メダルの松本薫との16年リオデジャネイロ五輪の代表争いで「松本選手の方が良いと心のどこかで思ってしまった」と気後れした。5年がたち「自分の方が強いと思って試合に向かえた」と技の幅も精神面でも成長を実感できた。31日の団体戦でも主力として期待される。「みんなで金メダルを取ってしっかりやりきりたい」。逃した色のメダルを取りに行く。(末継智章)

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