「つかさは朝9時半からの練習1分前に寝起きで来る」挫折しかけた芳田司を支えた同級生

西日本スポーツ 末継 智章

 柔道女子57キロ級で初出場の芳田司(コマツ)は準決勝でジャコバ(コソボ)に敗れ、3位決定戦でリパルテリアニ(ジョージア)に一本勝ちして銅メダルを獲得した。同級は松本薫が12年ロンドン五輪優勝、前回リオ五輪3位で、日本勢は3大会連続メダル。

   ◇   ◇

 芳田は高校3年間を北九州市の敬愛高で過ごした。挫折しかけた時期に同学年の岡史生さん(26)に救われた。

 相模原市の相原中で1学年先輩だった同63キロ級日本代表の田代未来(コマツ)を慕うが「強くなるために独り立ちしたい」と柔道が盛んな九州の高校を選んだ。「口数は少なかったが淡々と練習に取り組んだ」と吉元幸洋監督。3年時には金鷲旗2連覇に貢献し、福岡市で行われた全国高校総体女子57キロ級を制した。

 「やりたい練習をやらせてもらえた」が、悩みもあった。黙々と稽古した中学時代と違い、練習中に掛け声で鼓舞する。「声を出すぐらいなら集中したい」と葛藤。父の善英さんに「柔道をやめるかも」と漏らした。

 支えになったのが、同じく1年時から主力の岡さんだ。口数の少なさと自分を曲げない信念、柔道への情熱に共感。岡さんも「司は朝9時半に始まる練習の1分前に寝起きで来るのに、稽古はちゃんとする。マイペースな印象」と引かれ、休みには学校に近いJR門司駅のうどん店で食事をするなど行動を共にした。

 卒業後も毎春福岡市で行われる全日本選抜体重別選手権の後、もつ鍋店で他校出身の友人と3人で反省会をする。2019年の同選手権を制して同年の世界選手権代表を決めた後、会場の外で岡さんを見て「代表争いで切羽詰まってつらかった。一緒に帰ってくれてうれしくて。共に頑張った仲間だと実感した」と感極まった。岡さんは今春福岡大のコーチを退いて柔道界から離れたが、芳田は「関係は変わらない」。友への感謝をメダルで示した。(末継智章)

PR

柔道 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング