ソフト金もたらした「神ゲッツー」渥美万奈 内気な恥ずかしがり屋を変えた宇津木監督の“特訓”

西日本スポーツ 西口 憲一

 東京五輪のソフトボールで金メダルを獲得した日本代表。頂点への道のりを支えたのは全6試合を無失策で乗り切った堅守だった。

 米国との息詰まる戦いとなった27日の決勝。2点リードの6回1死一、二塁のピンチで、痛烈なライナーを三塁手の山本優(ビックカメラ高崎)がはじいた。後方へ飛んだボールに、フォローしていた遊撃手の渥美万奈(トヨタ自動車)が素早く反応。ノーバウンドでキャッチすると、あうんの呼吸で二塁ベースカバーに入った二塁手の市口侑果(ビックカメラ高崎)へ送球し、併殺として窮地を一瞬にして脱した。

 日本代表の合宿は年間約170日にも及ぶ。宇津木麗華監督は、その期間を通して「人」としての成長にも目を向けてきた。

 特別なルールを設けない一方で、必ずといっていいほど選手を指名してスピーチさせた。テーマを与えてから3分間ほど考えさせて、全員の前でしゃべらせた。「短い言葉でもいい。自分の考えを、自分の言葉で、チームメートにきちんと説明でき、相手の意図をくみ取ることができれば、チームの戦略も理解できる」という狙いがあった。

 宇津木監督によると市口と渥美の二遊間コンビは「シャイな性格。話しながら涙を流したこともあった」と振り返る。「考えを言葉でうまく表現できずに泣いてしまう。渥美はだいぶ改善されてきたけれど、市口は今でもよく泣く」とほほ笑む。

 宇津木監督は明かす。「私自身、緊張すると人前で話をしながら泣いてしまうことがある。渥美や市口の気持ちもよく分かる。でも、監督の私がそれだと駄目だから意識して泣かないように“練習”するようになった」。プレーだけではない。その前提の部分にも反復練習がある。「日本の守備は世界でナンバーワン。そこも決して忘れてはいけない」。心身両面での地道な準備も、金メダルの下地となった。(西口憲一)

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