衝撃の敗戦、柔道日本の銀メダルが持つ意味 24年パリ五輪へ待ち受ける厳しい闘い

西日本スポーツ 末継 智章

 ◆東京オリンピック(五輪)柔道 混合団体決勝(31日、東京・日本武道館)

 0-2で迎えた3戦目で素根が一矢報いた。21歳、同い年のディコに大内刈りと寝技の合わせ技で一本勝ちした。30日の個人戦も含めて全7試合でオール一本勝ちを達成したが、ウルフ、芳田が連敗。「みんなで優勝を目指していたので、2位という結果で悔しいです」。素根がつぶやいた。

 日本武道館に衝撃が広がった。過去の世界選手権で一度も負けていない混合団体。五輪初採用の今回も金メダルが期待されていた。

 同じ日本武道館で行われた1964年東京五輪。初めて五輪で採用された柔道で日本は軽量級から3階級を制覇したが、無差別級で神永昭夫がヘーシンク(オランダ)に敗れた。日本女子の増地克之監督は「同じような光景、気持ちになった」と声を絞り出したが、「選手はよくやってくれた」とねぎらった。

 フランスは2019年世界選手権でも決勝で闘ったライバル。競技人口は約50万人といわれ、日本の約12万人を大幅に上回る。2度の五輪制覇を誇る男子100キロ超級のリネールなど同国の強豪対策に心を砕いてきたからこそ日本は男女9個の金メダルを獲得できた。だが、この日は打倒日本に燃えた相手に屈した。女子70キロ級の金メダリストの新井が、同63キロ級覇者のアグベニェヌに、男子100キロ級を制したウルフはリネールに組み倒された。

 神永敗戦の衝撃から64年東京五輪後に創設されたのが柔道私塾「講道学舎」だ。古賀稔彦や大野将平ら金メダリストを輩出し、日本の柔道はさらに発展した。増地監督は「1強だと柔道が衰退していくので、フランス、(2階級を制した)コソボ、それ以外の国も打倒日本で闘ってくると思う。厳しい闘いが待っているけど、柔道界にとってはいいことだ」と気を引き締めた。

 24年はパリで五輪を迎える。大野は「混合団体を負けたことはしっかりと胸に刻まないといけない。3年後、日本チームとして雪辱できるように精進していきたい」と誓った。素根はディコとの熱戦を振り返り、「ライバルがいる方が自分はもっと強くなれると思える。次も勝てるように」と気持ちを新たにした。(末継智章)

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