残り16秒、逆転の3ポイント 日本バスケの歴史を変える林咲希の1本はこうして生まれた

西日本スポーツ 末継 智章

 ◆東京オリンピック(五輪)バスケットボール 女子準々決勝 日本86-85ベルギー(4日、さいたまスーパーアリーナ)

 新しい歴史を切り開く3点シュートを沈めた。2点を追う最終クオーター残り16秒。林咲希(ENEOS)=福岡県糸島市出身=はシュートと見せかけるフェイントで相手をかわし、迷わずリングを狙った。「それまで外していたけど、コートに立つ以上は仕事を果たすのが使命」。逆転に成功すると、チーム一丸で1点を守り切った。男女を通じて日本初の4強入り。「心の底からうれしかった」と仲間たちと抱き合い喜び合った。

 前原中から精華女子高に進み、ボールを持ってから素早くシュートを打つ技術を磨いた。長身選手が少ない同校が全国で勝つために代々伝えてきた伝統の打ち方。かかとからステップを踏み、ボールに力を伝えることで軽いタッチでもリングに届かせることができる。

 当初は打ち急ぎ、シュートを防がれた。「真っ白で相手が見えていない」と感じた大上晴司監督の指導で、守備を見てフェイントをかける練習を取り入れ、冷静にシュートを打てるように変わった。恩師が「シューターの力が発揮され始めた」と語る練習が、歴史を変える1本を生んだ。

 大黒柱の渡嘉敷来夢(ENEOS)が右膝の重傷で五輪を断念してからチームは「スモールボール」と題して速攻と3点シュートで得点を重ねるスタイルを築いた。ホーバス監督から「絶対必要」と絶大な信頼を置かれ、2日の1次リーグナイジェリア戦でもチーム最多23得点。愛称の「キキ」は名字の「木」二つから付けられたが、代表では「危機を救う」という意味もある。負ければ敗退の危機を得意の3点シュートで救った。林は「ここまで来たらどこが来ても勝って金メダルを取る」。女子バスケの快進撃はまだまだ終わらない。(末継智章)

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