リハビリで始まった競技人生「パリで勝負するイメージはできた」競歩・藤井菜々子、夢は3年後へ

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 ◆東京オリンピック(五輪)陸上 女子20キロ競歩(6日、札幌大通公園発着特設コース)

 14キロ地点でトップとわずか2秒差。ラスト5キロを勝負どころに位置づけていた藤井菜々子(エディオン)=福岡県那珂川市出身=にとって理想的な展開だったが、ギアが上がらない。「足が急激に重くなって、呼吸も苦しくなった」。先頭集団から脱落。日本勢トップの13位ながら、初の五輪で目標に定めていた入賞には届かなかった。

 競技歴は5年半と浅い。北九州市立高1年時の2016年に左すねを疲労骨折。リハビリの一環で競歩を始めると、骨盤が前傾して脚が前に出やすい体質が味方した。当初は「競歩は走れない人がやるイメージ」。それでも母の真由美さん(53)から「チャレンジしたら走ることにもつながる」と励まされたことで成長し、歩くたびに記録を更新。全国高校総体では2連覇を果たした。

 伸び盛りの藤井にとり、五輪の1年延期は追い風になった。昨年1月に痛めた右脚は癒え、20キロを超える距離の練習を積めた。疲れが出る終盤にはスピードを上げようと地面を蹴り上げて歩型が乱れる癖があったが、腰の回転を使って足を運ぶフォームも確立させた。

 24年パリ五輪でのメダル獲得を最終目標に置く。「悔しい。自分の力のなさ、現実を突きつけられた感じ」。現在地を知った22歳はすぐに前を向いた。「積極性のあるレースはできたと思う。パリで勝負するイメージはできた」。初の大舞台で多くの収穫を得た。3年後に花を咲かせてみせる。(長浜幸治)

PR

スポーツ アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング