ソフトボールに続く金メダルへ 上野由岐子の言葉から、まだ育成選手だった千賀滉大は変わった

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ソフトボールに続く金メダルを-。7日に米国と対戦する野球の決勝に、千賀滉大(ソフトバンク)は尊敬する先輩への感謝とともに臨む。育成ドラフト4位でプロ入りした2011年のオフ。将来を照らす言葉をくれたのは、日本ソフトボール界の大エース、上野由岐子(ビックカメラ高崎)=福岡市出身=だった。

 初めて出会った福岡県内での合同自主トレで、08年北京五輪金メダリストの考えに触れた。「超一流の人と一緒に過ごして、いろんなことを肌で感じればいい。二流は二流、三流は三流のことしかしていない。超一流はそれに見合ったことをしている」。高卒入団でまだ10代だった右腕はいろんな助言をもらった。

 育成から支配下へ、1軍選手から日本代表へ-。階段を上がるたびに、上野の言葉の重みを実感した。必要と思えば、ダルビッシュ有(パドレス)の元へ飛んで教えを請うた。五輪直前の強化合宿では田中将大(楽天)のキャッチボール相手にいち早く立候補した。

 コロナ禍で1年延期となった五輪イヤーは試練の連続だった。両ふくらはぎの不調で出遅れ、4月の今季初登板で打球をよけた際に左足首を痛めた。あらぬ方向に曲がった映像は「まともに見られなかった、と何人にも言われた」。戦線離脱は約3カ月に及んだ。

 代表に追加招集された後も調子はなかなか上がらなかった。もがく中で、7月27日の日本対米国のソフトボール決勝を見た。39歳の上野が大一番で見せた力投、そして13年ぶりに流した歓喜の涙-。「最初から最後まで見ました。本当にすごい。戦略性も高い」。五輪で日の丸を背負う意味を改めて突きつけられた。

 翌28日に野球も開幕。千賀も8月2日の米国との準々決勝で五輪初登板し、2回無失点、5奪三振と復調を証明した。ソフトボールと同じく米国との2度目の対戦となる決勝。総力戦のマウンドに覚悟とともに上がる。(鎌田真一郎)

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