「なでしこ」杉田父娘の二人三脚 東京五輪後も続く世界への挑戦

西日本スポーツ 松田 達也

【記者コラム】

 金メダルを目指した戦いは準々決勝で幕を閉じた。東京五輪のサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」メンバーとして奮闘した北九州市出身のMF杉田妃和(INAC神戸)。父と二人三脚でたどり着いた初めての晴れ舞台だった。

 サッカーの道に進むきっかけが父の徹さん(48)だった。同市の二島FCでコーチとして指導を受けた。小学6年時には、九州の男子の選抜チームに女子で一人だけ選ばれた。徹さんは「小学生の頃、自分の目標を書く欄に『歴史に名前が残る選手になりたい』と書いていた」と懐かしむ。

 2014年にはU-17(17歳以下)女子ワールドカップ(W杯)で優勝した日本代表の中心として、大会MVPを獲得した。高校卒業後の進路を決めるため、徹さんとともにドイツを訪れもした。現地のクラブから正式な獲得の打診を受けたが、杉田は断ったという。

 「大人になる前から、欧州のパワーとスピードのサッカーに染まりたくない」。徹さんにはっきりと意思を示し、澤穂希さんらが所属した強豪のINAC入りを決めて、技術を磨いてきた。

 二島FCはドリブル、キックなどでボールに触れる回数を増やす練習方針で技術を磨く。サッカー男子日本代表で00年のシドニー五輪に出場したドリブルが武器の本山雅志も生んだ。巧みなボール扱いが特徴的な杉田のプレースタイルの「原点」だ。

 五輪で杉田は開幕戦こそ先発を外れたが、2戦目以降は全試合に先発出場し中盤を支えた。3年後のパリ五輪の活躍も期待される24歳。さらに力を付けるため、一度は断った海外に飛び出していく可能性もある。

 徹さんは、これからも指導者として「杉田2世」の育成に取り組む。「この小さなクラブから、世界に羽ばたく子が出たらうれしいですよ」。親子のサッカー物語は、まだ始まったばかりだ。(松田達也)

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