J1福岡上位撃破なるか! 復調した攻守にプラスアルファも 22日名古屋戦、25日川崎戦

西日本スポーツ

【アビスパ取材20年超 ライター・島田徹コラム】

 アビスパ福岡が長いトンネルを抜けました。リーグ戦の連敗は5でストップ。引き分けと8試合ぶりの勝利で、2試合連続の勝ち点を挙げました。アビスパ取材歴20年以上のフリーライター島田徹氏(56)によるコラム「“福岡”を語ろう」の今シーズン第10回では、復調した要因や攻守にレベルアップした点について分析してくれました。(随時掲載)

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 9日の広島戦を1-1の引き分け、15日のC大阪戦では5月22日の湘南戦以来の勝利を挙げたアビスパ福岡。5連敗のまま突入した約3週間の東京五輪期間中の中断でパワーを取り戻したようです。

 中断期間の取り組みとして長谷部監督と選手が挙げたのが、「今季前半戦で好調だった時の戦い方の再確認」でした。粘り強く守り、好機を確実にものにする「自分たちらしい戦い」をどのように実践していたか。良いプレー場面をつなぎ合わせた映像をコーチ主導で制作して選手に見せ、そこに監督の言葉を乗せ、練習に落とし込み、選手同士で意見交換をすることで実現したようです。

 そのように好調時の記憶を呼び起こし、再現することで調子を取り戻したことは事実として、勝ち点を重ねたここ2試合で好調時を超えるレベルアップを果たした部分もある、とも感じました。

 一つは、個の強度を上げながら質の高い連動性も伴う守備です。一人で局面を打開できるアタッカーがそろう上位チームとの対戦では、その個に対して一人が強度の高い圧力をかけてプレーを制限する必要があります。

 同時にそれによって生まれるスペースをほかの味方が埋める、そのカバーによって同様に生まれる別のスペースもまた誰かが埋める、あるいはそうして動いた選手のマーク担当を引き継ぐ、といったサポートの連なりの質が高まったことが、失点を1点ずつに抑えられた要因だとみました。

 また長谷部監督は「C大阪戦でいえば得点を取ったところ、パスもシュートも非常に良かった。そこはこれまでと違ったところ」と、攻撃面の成長も挙げています。

 C大阪戦での山岸の先制ゴールはサロモンソンの右サイドからのクロスを右足ボレーで合わせたもの。2人の連係と山岸のシュート技術も日々の練習の成果、成長の証しでしょう。

 また山岸が「C大阪の守備陣がクロスに対してポジションを下げて対応するのでペナルティーエリア内にスペースができるという情報を(スカウティング担当から)もらっていた」と明かしました。そこに前半戦よりも一層の労力を割いて分析し、チームをサポートしようというスタッフの意欲とチームの一体感も感じることができます。

 そして終了間際のクルークスの勝ち越しゴールは右サイドからカットインしての左足シュートによるものでしたが、「毎日の練習が身になった」と話すように、そこに個人の質の向上があったことが理解できます。

 好調時の再現と、個とグループの質の向上の足し算でステップアップを果たした状態で臨む22日の名古屋戦と25日の川崎戦は今季1度目の対戦で敗れているだけに、成長度を測る上で格好の場となります。注目を!

 ◆島田徹(しまだ・とおる)1965年3月28日生まれ。広島県出身。小学5年から福岡大1年までサッカーをプレーし、ボランチやサイドバックを務める。98年からサッカー専門誌の編集部に勤務し、アビスパの取材も開始。2008年から福岡拠点のフリーライターに。

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