定番・新曲に負けず…甲子園に響く80年代ヒット曲の数々 なぜ今?

西日本スポーツ 前田 泰子

【記者コラム】

 今年の甲子園は久々にアルプススタンドから楽器の音が響いてきた。スピーカー越しではない生の演奏は甲子園の空気を震わせ、試合を見ながら思わず聞き入ってしまうこともある。

 各校の応援歌として人気の曲は、やっぱり智弁和歌山の定番ナンバー「アフリカン・シンフォニー」や「魔曲」として知られる「ジョックロック」。大阪桐蔭のナンバーもよく流れている。YOASOBIの「夜に駆ける」や、アニメ「鬼滅の刃」のテーマなど新しい曲も耳にする中、何だか増えていると感じたのが、懐かしい1980年代のヒット曲だ。

 柳葉敏郎や哀川翔も所属していた男性グループ一世風靡セピアの「前略、道の上より」や、杏里の「CAT'S EYE」は以前から演奏されているが、最近勢いを増したのが嶋大輔のヒット曲「男の勲章」。スタンドで曲名を示すボードには「今日から俺は」とあった。なるほど。テレビドラマの出演俳優たちがカバーして主題歌になっているので、高校生にとってもおなじみの曲なのだ。嶋大輔が「横浜銀蠅」の弟分なんてことは知らないだろうけど(笑)。

 THE ALFEEの「星空のディスタンス」も聞こえてくる。ちょっと前だが、テレビの歌番組で阿佐ケ谷姉妹がご本人たちと共演したことでも話題になった。初戦で惜しくも敗れた西日本短大付の1番打者・江口翔人(1年)の応援歌に使われていた。同校では応援歌を選手自身が選ぶそうで、江口は「1番打者なので、勢いがある応援歌なら相手に圧をかけられると思いました」と選曲の理由を話している。2005年生まれの16歳にしてはシブすぎるチョイスだが、今の高校生たちには、むしろ新鮮な曲として耳に入るのだろう。

 ブラスバンドの指導者が“世代”に近いこともあるのかもしれないが、最近は80年代の曲が平成生まれの若い人たちの間でひそかなブームになっているとも聞く。子どもの頃に「ザ・ベストテン」などの歌番組でワクワクしながら聞いたナンバーが聴けるのは、選手を応援する親御さんにとってもうれしいことだろう。

 緊急事態宣言の対象地域に、甲子園球場がある兵庫県が追加されたため、22日から来場できる学校関係者の制限が厳しくなる。ブラスバンドやチアリーダーの入場はできない。本当にやるせない思いだ。来年こそは、各校の応援団が思う存分、生演奏できる甲子園になってほしいと願っている。(前田泰子)

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