「代打・松田宣浩」12年ぶりの安打 劇勝を呼んだ工藤監督の決断

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆ソフトバンク4-2ロッテ(22日、ペイペイドーム)

 元気印がチームを救った! ソフトバンクは2-2で迎えた8回2死一、二塁から代打の松田宣浩内野手(38)が決勝の2点二塁打を放った。同一カード3連敗を免れ、東京五輪による中断前から続いたロッテ戦の連敗も4でストップ。首位オリックスが敗れ、再びゲーム差は4・5に縮まった。24日から始まる西武、オリックスとの敵地6連戦を前に、弾みのつく逆転勝ちとなった。

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 チームの願いを乗せた打球が左中間を破ると工藤監督、そして選手らが一斉に拳を突き上げた。同点の8回2死一、二塁。甲斐の代打で登場した松田がハーマンの初球を捉えた。2009年以来、自身12年ぶりの代打安打は値千金の勝ち越し2点二塁打。ベンチの盛り上がりが、この一戦の重要性を物語っていた。

 「とにかく初球からスイングしていこうと思った」。打席に向かう直前には、甲斐から「マッチさん、任せた」と声をかけられた。「3連敗はさすがにできないんで。まだ諦めている人は誰もいないし、上を目指すだけ」と38歳のベテランはチームの思いを代弁した。

 16年目の今季、通算300本塁打まで残り2本と迫りながら試練の日々が続いている。打率は2割3分台と低迷し、スタメンを外れたのはこの日で11試合目。「ユニホームを着ている以上、ずっと(試合に)出続けたいというのが野球選手だと思う」と苦しい胸の内を明かした上で、「後半戦はチームの勝ちが一番上にくる。与えられたところでやるしかない」。悔しさはバットで晴らすしかないと肝に銘じている。

 劇的な場面を生み出したのは工藤監督の決断だった。8回、先頭のデスパイネが四球を選ぶと、迷うことなく代走周東を告げた。21日の試合に代走で起用し、二盗成功後にけん制でアウトになった25歳を再び重要な場面で送り出した。

 「彼はミスをしたとしても、へこたれないで乗り越えていかないといけない選手。ミスがあったからといって、使わないという選択肢はない」。指揮官の期待に周東も応えた。ハーマンに5度けん制されながらも、中村晃への5球目に二盗を成功。松田の適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。

 一丸でつかみ取った白星に工藤監督の口調も熱を帯びる。「緊張感の中で100パーセントの力を発揮するのは難しいけど、今までの経験が生きたんじゃないか」。4年連続で日本一をつかんできたチームの底力への手応えを改めて口にした。首位オリックスが敗れ、再びゲーム差は4・5に縮まった。24日からは敵地で西武、そしてオリックスとの6連戦が待つ。逆転勝ちの勢いのまま反転攻勢に出る。(長浜幸治)

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