「あと1死」からサヨナラ負け 長崎商が申告敬遠しなかったわけ

西日本スポーツ 喜瀬 雅則

 ◆全国高校野球選手権 3回戦 神戸国際大付6-5長崎商(25日、甲子園)

 最後の“あと一つ”のアウトが取れれば、長崎商は1952年(昭和27年)以来、69年ぶりの8強進出だった。悔しい逆転サヨナラ負けの最後の場面は延長十回裏、1点リードでの2死二、三塁。迎える神戸国際大付の打者は4番西川だった。

 そこまで本塁打を含む3安打。だから、セオリーなら「申告敬遠」。2点取られれば逆転サヨナラ負けだから一塁走者は無関係。満塁で内野ゴロなら、一番近いベースでフォースプレーと、むしろ守りやすい。西口監督も「満塁策は頭に入れていました」。伝令がマウンドへ走った。

 長崎県大会決勝は、九回2死から同点に追いつき、十回に勝ち越し。甲子園でも1回戦の熊本工戦は2点を先制されながら逆転勝ち、2回戦の専大松戸戦も先制して追いつかれた後、再び勝ち越すなど「最後まで諦めない粘りの野球。褒めてやりたい」と西口監督。最後の場面は勝負を最初から避けると、気持ちがどうしても緩むと、西口監督は土壇場での「心」を懸念したのだ。

 「一塁は空いているから、厳しくボールゾーンを突け。強気に攻めろ」

 その、矛盾した指示の意をエースの城戸も即座に理解。「絶対に逃げないという気持ちでした」。初球は134キロ直球。西川の打球は三塁大坪のグラブをはじいて左翼へ転がった。ベスト8目前で勝利を逃したが「1試合1試合、みんなで強くなっていけたと思う」と城戸。最後まで全員で逃げずに、立ち向かった。それが長崎商の誇りだ。(喜瀬雅則)

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