恩師が支えたパラ競泳・富田の歩み 衰えゆく視力「何もしてあげられなかった」

西日本スポーツ 松田 達也

 東京パラリンピック第7日の30日、富田宇宙(32)=日体大大学院、熊本市出身=が競泳男子200メートル個人メドレー(視覚障害SM11)で銅メダルを獲得した。

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 2個目のメダルを獲得した富田を熊本・済々黌高時代に指導した米田拡二さん(47)=現熊本西高教諭=は「私が出会った生徒の中でも特に目の力、眼力が強かった」と振り返る。

 水泳部顧問だった米田さんが語る富田の性格は「前向きで強気でエネルギッシュ」。進行性の目の病気について聞いたのは高校2年の秋。当時は日常生活や競技に支障はなく「本人も『今まで通りやる』と言っていた」という。

 一方で「宇宙」の名の通りに宇宙飛行士やパイロットになる夢を諦めたことも聞いた。卒業後に東京でも会う機会があったが「つえを突いてくるようになったりして、会うたびに目が悪くなっていた。高校時代は何もしてあげられなかった」と悔やむ。

 その後も交流を続け、社会人になって再び泳ぎ始めた富田と会う際は、新宿駅で肩を貸して一緒に歩いた。遠征続きで経済的に苦しかった時には資金面で支援が受けられそうな制度を紹介した。富田が新型コロナウイルス禍で熊本に戻った際は熊本西高のプールを練習で使えるようにするなど、夢への歩みを支えた。

 教え子は二つ目のメダルを手にした。米田さんは「名前と同じでスケールが大きい。彼は障害もプラスに変える強さを持っている。こちらも勇気をもらえる。本番に状態を合わせてきて、本当にすごい」とたたえた。(松田達也)

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