西武栗山にとって2000安打全ての価値は同じ それでも忘れられない2本

西日本スポーツ 小畑 大悟

 ◆楽天8-5西武(4日、楽天生命パーク宮城)

 西武の栗山巧外野手(38)が4日、楽天生命パーク宮城で行われた楽天戦の9回に左前打を放ち、史上54人目の通算2000安打を達成した。西武の生え抜きでは初の快挙。区切りのプロ20年目で達成したベテランは、同期の中村剛也内野手(38)らから花束を受け取り、喜びを分かち合った。

   ◇   ◇

 2000回目のHランプがともった。プロ20年目、8308打席目。獅子のユニホームを着続けて、区切りの一打を放った。元同僚の牧田から栗山らしい左前打。一塁ベース付近で炭谷に続き、中村から花束を受け取ると、白い歯がこぼれた。

 「本塁打を打ちたいと思ったらカーブをレフト前。打撃はなかなか思うようにはいかない。結果的にずっと練習してきた逆方向に出た。身についていたのかな。バッティングは面白いなって」

 栗山にとって安打とは「打席に立って一番目指すもの。何でもいいんです。スコアボードにHのランプをつけられれば」。それでも忘れられない2本がある。

 一つはプロ1本目。2004年9月24日、大阪ドーム(現京セラドーム大阪)での近鉄とのシーズン最終戦。順位も決まった“消化試合”で初出場初スタメン初安打を放った。「その1球だけは覚えている。左の小池さんのスライダーがやや内側から真ん中低めだったかな。それを引っかけた感じだった」。この右前打で存在感を示し、翌05年は84試合に出場した。「あそこで一本出ていなかったら、どうだったんやろう…」と振り返る。

 もう一本は、09年4月9日、西武ドーム(現メットライフドーム)でのオリックス戦で放ったシーズン初安打。開幕から27打席目の難産だった。「常にその時の気持ちは忘れないようにして、大事にしている」

 前年の08年に主力として日本一に貢献。09年はオープン戦で12球団トップの打率4割をマーク。自信を持って臨んだが大きくつまずいた。「H」がともらず、試合後に室内練習場で当時監督の渡辺ゼネラルマネジャー(GM)に打撃投手をしてもらった。「やっと打った時の右前打はすごく覚えている」

 ライオンズ一筋の男には、自らの打撃をつくる基準がある。「打率3割を狙えるだけのスイングをしているのか。(変化は)怖くない。対応しようとする中で少しずつ変わっていくものなので」

 西武の生え抜き選手の2000安打は初。牧田-炭谷の元西武バッテリーから打ったのも何かの縁か。多くの主力がチームを去った中、同じ高卒同期入団の中村とともに所沢に骨をうずめるつもりだ。「ここ(所沢)に来れば、どこに行くにも時間がかかるじゃないですか。都心に出るのも1時間ぐらいかかるので、試合が終わってご飯に行こうって約束もしない。それやったらちょっと打って帰ろうか、って。野球をやるにはこれ以上ない環境。それが一番好きな理由ですね」

 誕生日から1日遅れて自らを祝い、次は2001安打目。金字塔を打ち立てた自らへのメッセージは「ここからだぞ。これからが本当の勝負の始まりと言いたい」。Hランプを追い求める戦いはまだまだ続く。(小畑大悟)

 ◆栗山巧(くりやま・たくみ)1983年9月3日、神戸市生まれ。兵庫・育英高2年時に春夏連続で甲子園出場し、ドラフト4位で2002年西武入団。04年に1軍初出場初安打を記録した。08年から背番号1。最多安打1度(08年)、ベストナイン4度(08、10、11年、20年)、ゴールデングラブ賞1度(10年)、球宴出場1度(16年)。177センチ、85キロ。右投げ左打ち。

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