王者が見せた底力 自力V消滅の危機で工藤監督の目に光「楽しんでいただきたい」強気発言の根拠

西日本スポーツ 倉成 孝史

 ◆ソフトバンク11-4オリックス(4日、ペイペイドーム)

 勝利以外では自力Vが消滅する背水の一戦で、ソフトバンク打線が大爆発した。1点を追う5回にオリックス先発のスパークマンらを捉え、打者11人の猛攻で3年ぶりの1イニング8得点。6月5日の阪神戦以来の2桁となる11得点で快勝し、首位オリックスとの差を再び5ゲームに縮めた。一発を放った中村晃、柳田ら主力に加え、リチャード、上林ら若手も活躍した王者が総力戦で巻き返す。

   ◇   ◇

 追い込まれた王者が、大逆転Vへ向けて鋭い牙をむいた。1点を追う5回。無死満塁で甲斐が放った中前への逆転2点適時打が、逆襲への号砲だ。牧原大が左前適時打で続くと、その後2死満塁からデスパイネが右中間フェンス直撃の3点適時二塁打。この時点で今季の1イニング最多得点となったが、まだ終わらせない。

 続く中村晃は、張奕の151キロ直球を右翼席にたたき込んだ。4号2ランで、2018年4月1日以来となる1イニング8得点。「みんながつないで得点を重ねる中で、いい流れで続くことができた。なんとかここからチーム一丸となって勝っていければ」。選手会長の言葉通り、反攻へのターニングポイントとなることを予感させる大爆発だった。

 危機にひんしても動じないことが、真の強さだ。3日は山本から24イニングぶりとなる得点で8回に同点に追い付きながら、直後の9回に勝ち越しを許し痛い敗戦。首位と今季最大タイの6ゲーム差に広がった。だが一夜明けた4日の試合前、引き分け以下で自力Vの可能性が消滅する一戦を控えても、工藤監督の目は弱るどころかギラついていた。

 「(残り)39試合しかないと思うのか、39試合もあると思うのか。6ゲーム離れてたって6連勝6連敗で追い付くんですから」

 強がりではない。昨季まで就任6年間で5度の日本一。大きな歓喜を味わう一方、同等の悔しさも味わってきた。16年には最大11・5ゲーム差から大失速によるV逸も経験。毎年V争いを繰り広げながら、18年からは2年連続ペナントを西武にさらわれた。最後に頂点に立っていればいい-。大きな喜びも悔しさも知る百戦錬磨の指揮官は、不敵にVへの道を描いている。

 「野球は何が起こるか分からないから面白い。楽しんでいただきたいですね、皆さんに。ホークスの力はこんなものですか、違いますよね」

 そう自らにも言い聞かせるように大逆転Vを約束し臨んだ一戦で、打線は6月5日以来3カ月ぶりの2桁得点と大爆発した。オリックスとの星は9勝9敗1分けの五分に戻し、5ゲーム差。「本当の意味で今日をきっかけにして、明日この勢いのままいきたい」。さあ、逆襲の始まりだ。(倉成孝史)

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