午前に「金」午後に「銅」パラバドミントン梶原大暉のタフさの原点は野球

西日本スポーツ 松田 達也

 東京パラリンピック最終日の5日、バドミントン男子シングルス(車いすWH2)で梶原大暉(日体大)=福岡市出身=が金メダルを獲得した。47歳の村山浩(SMBCグリーンサービス)と組んだ男子ダブルス(車いす)でも銅メダルを手にした。

 難敵を倒して頂点に立った瞬間、19歳の新星は左腕で大きなガッツポーズをつくった。今大会終盤で一躍注目を浴びたバドミントン男子シングルス(車いすWH2)の梶原大暉=福岡市出身。表彰で「あの場所で日の丸を真ん中に君が代を流せれば、と思っていた。言葉では言い表せない特別な思いがあった」。今大会から導入された新競技で輝きを見せた。

 午前のシングルス決勝では「ずっと目標にしてきた」という世界ランク1位で世界選手権4連覇中の金正俊(韓国)と対戦。同6位の梶原は相手の緩急をつけたプレーに、持ち前のチェアワークとスタミナで対抗した。第1ゲームは15-17からの4連続得点で逆転。第2ゲームは11-11から突き放してストレート勝ちした。「チャレンジャーなので失うものはない。せっかくのチャンスなので楽しもうと思った」とうなずいた。

 47歳の村山浩(SMBCグリーンサービス)と組んだ午後のダブルス(車いす)3位決定戦でも粘り勝ち。4日間で計8試合という厳しい日程を乗り越え、二つのメダルを手にした。そのタフさの原点は野球経験。少年野球チームで投手として活躍したが中学2年夏に交通事故に遭い、右脚を切断し、左脚にも障害が残って競技を断念した。それでも「強いチームで厳しい練習をしてきた。やり抜く気持ちは野球で培った」と強調する。

 「投手の投げる動きとシャトルを打つ動きが近い」と福岡・福翔高からバドミントンを始め、2019、20年には日本選手権のシングルスを連覇するほど力をつけた。今もソフトバンクの試合をテレビ観戦しながら大好きな今宮健太の活躍に注目するなど野球愛は変わらないが「みんなが応援してくれるので、バドミントンをできている。本当に感謝しているし、好きなことをできているのは楽しい」と、すっかりバドミントンにはまった形だ。

 その空間把握能力と地肩の強さを生かしたスマッシュは高い評価を得ている。「ご褒美に水炊きを食べたい」と笑う梶原は、3年後のパリでは日本の主役候補だ。「2冠を目指したいし、結果を残すことで競技を引っ張る存在になっていきたい」。新たな目標をしっかりと見据えた。(松田達也)

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