衝撃2発リチャード飛距離裏付ける筋肉量 外国人含め球団トップ58・5キロ

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ソフトバンク12-4オリックス(5日、ペイペイドーム)

 ニューヒーローが逆転優勝への光をもたらした。ソフトバンクのリチャード内野手(22)がプロ1号の逆転満塁本塁打を含む1試合2発&6打点と輝いた。自力優勝が消える可能性があったオリックス戦で今季初の2試合連続2桁得点と活性化した打線をけん引。プロ初安打をマークした4日に続くお立ち台で「手洗い、うがい、リチャード」と呼び掛けた育成出身の大砲候補生が、チームに欠かせない存在となってきた。

球団トップの筋肉量

 ゼンインヒーローの文字がつくられた左翼席中段の「ヒーロー」の部分にメモリアルな打球は突き刺さった。1点を追う4回1死満塁。「人生で一番集中していた」。大砲候補の一打にベンチも観客も沸いた。

 衝撃の一振りの直前、リチャードは増井の前にフルカウントとなってタイムを取って頭を整理した。「三振を取りたいならフォークかスライダー。頭は決めていたけど、なんか『あっ』て感じで」。狙いとは違う149キロ直球をジャストミートしたプロ1号だった。

 2回は中犠飛でプロ初打点。7回はバルガスに初球を構える前に投げ込まれると「なんじゃ、マジで打ったろ」と奮起して2号を放ち、1試合6打点の大暴れ。スタンドには4日に続き米国人の父ジャンさんと母あけみさんが駆けつけており「毎日でも来てもらいたいぐらい」と感謝した。

 2人から授かった115キロの巨体には、今春キャンプ時点で58・5キロの筋肉量が備わっていた。外国人選手を含め球団トップだったという。恵まれた体から放たれる飛距離は同じ沖縄出身で自主トレをともにする2018、19年の本塁打王、西武山川も認める。

 その師匠との約束も果たした。ネックレスをプレゼントされ、条件を付けられた。「1軍で本塁打を打ったら、どすこいポーズをしろ!」、そして「打てなければ自腹で返金」。その言葉を思い出しベンチ前で「どすこい」と絶叫した。

 育成契約だった昨季、初めてA組(1軍)キャンプに抜てきされた。王会長の指導を受けるとともに5万円分の図書券を贈られた。購入した本の中に、昨季まで米メジャーのマリナーズ傘下でプレーした兄ジョーイからの助言と重なる部分があった。「緊張をほぐそうとするな。緊張の中で結果を出すにはどうすべきか、と」。緊張を集中力に変え、解雇された今は腕を手術してリハビリ中の兄を奮い立たせる打撃を届けた。

 チームは今季初の2試合連続2桁得点で、オリックス3連戦を勝ち越し。自力優勝が消滅する可能性があった一戦で息を吹き返した。7日からはメットライフドームでの西武戦。「師匠がいるんですけど、そんなのは関係なく、みんなでかかっていけば勝てると思う」。そう話し、観客を笑顔にさせたお立ち台では「コロナは手洗い、うがいが大事です。『手洗い、うがい、リチャード』って感じでお願いします」と呼び掛ける“名言”も飛び出した。

 初本塁打が満塁本塁打はプロ野球88人目で、球団史上9人目。直近で達成した甲斐の17年、上林の15年はいずれもリーグ優勝を成し遂げた。強烈なインパクトを残したニューヒーローが、逆転Vのフラグを立てた。(鎌田真一郎)

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