球場騒然の頭部死球にバットでお返し 痛いドローで光った柳田の勝負根性

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆日本ハム4-4ソフトバンク(10日、札幌ドーム)

 ソフトバンクが執念で負けを消した。9回2死二、三塁から三森がしぶとく中前へ同点タイムリー。引き分けに持ち込み、札幌ドームで今季5勝2分けと不敗は継続した。それでも…。柳田が頭部付近の死球に負けず適時二塁打などで3点を先行し、先発マルティネスも6回無失点。完全な勝ちペースが暗転しての最下位日本ハムとのドローは正直痛い。首位ロッテ、2位オリックスとの差は4・5ゲームと半歩広がった。

   ◇   ◇

 既に上位のオリックス、ロッテが勝利していた。負けられない土壇場で意地を見せた。9回2死二、三塁。三森がB・ロドリゲスの初球ツーシームを振り抜いた。高く弾んだ打球は右腕の頭上を越え中前へ。「何としても追いつくんだという気持ちだけでした」。この試合3本目の安打は窮地を救う同点打になった。

 なおも2死一、三塁と勝ち越しの好機に柳田が打席に立った。醸し出す危険なオーラに、相手右腕も容易にストライクは投げ込めず、四球で歩かされた。結局、今季18度目のドローとなったが、“不屈の男”は最後まで存在感を示した。

 球場が騒然としたのは4回だった。先頭で登場すると、左腕河野の初球122キロのスライダーをヘルメットのつば付近に受けた。あおむけのまま倒れ込み、トレーナーらが慌てて駆けつける一幕があった。

 一度、ベンチに引き揚げたが、再びグラウンドに姿を見せると、デスパイネのタイムリーで先制のホームを踏んだ。さらに5回1死一塁では、スライダーを捉え、右翼線への適時二塁打で痛烈な返礼。「ためてためて打つことができた。三森がよく走ってくれた」。自身も送球間に三塁まで到達し、死球の影響を感じさせず、3戦連続のマルチ安打で打率も3割4厘とした。

 ただ、工藤監督はチームの大黒柱だけに「本人は意識もはっきりしていて『大丈夫です』と。ただ、後から(影響が)来たりするので、もう一度チェックをしてもらう」と試合後も慎重な姿勢は崩さなかった。

 試合前、柳田は球場を訪れていた侍ジャパンの稲葉監督と再会した。シーズン途中で東京五輪という大舞台の修羅場をくぐり抜け、金メダルを手にした面々は逆転Vへの重要なピース。「彼らは勝負どころを把握している」と工藤監督の信頼も分厚い。

 今季の札幌ドームでの成績は5勝2分けとなり無敗は継続した。もつれたロングゲームを耐え「負けなかったことが何より」と指揮官。土壇場で底力を見せた鷹が、好相性の地で仕切り直す。(鎌田真一郎)

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